決勝日・フリー走行  10月9日(日)9:50~10:20

 日曜日になると朝から強い日差しが照りつけるようになり、いよいよタイらしさが戻ってきた。午前中に行われたフリー走行から気温は32度に達し、路面温度に至っては39度にも! これが予選で……と、舌打ちしたチームもきっとあったに違いない。そんな状況においても「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は順調そのもの。嵯峨選手が走り出すと、周回を重ねるごとタイムを刻んでいき、1分34秒718を記したところで、いったんピットイン。そこから先は中山選手の走行となる。

 中山選手はイン~アウトを行ってフィーリングを確認、セットの微調整を行うと、そのままチェッカーが振られるまで走り続けた。決勝セットでも7番手に相当する1分34秒617をベストとできるあたりに、大いなる期待が抱かれるようにもなる。なお、中山選手はその後のサファリにも走行して、バスが離れた後の終了間際には、1分34秒295にまで短縮を果たしてもいた。

決勝レース(66周)15:00~

 フリー走行の後も高まり続けた温度は、スタート進行が始まる頃には気温を33度、路面温度を44度にまで上げて、このレースウィークのピークも達していた。この暑さをまるで喜ぶかのように、グランドスタンドの大観衆は白熱の声援をドライバーに贈っていた。その興奮ぶりは、日本のレースファンを上回っていた、と言っても過言ではないだろう。

 今回もスタートを担当するのは嵯峨選手。8分間のウォームアップは、1周だけの走行に留めてタイヤを温存。そのことはまた、セットが完璧に決まっていたことも意味していた。

 スタート直後の「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、オープニングの1周だけで10番手にまで落ちていたが、それは想定の範囲。1コーナーを抜けてからのヘアピンを挟んだ2本のストレートでは、トルクフルなFIA-GT3勢の方が有利であるからだ。しかし、嵯峨選手は先行を許した車両にも遅れることなく続いていき、逆転の機会を待つことに。

 14周目には1台、16周目にも1台とかわし、さらに18周目には早めのタイヤ交換を強いられる車両もあったことから、6番手に浮上。その後も先行車両のピットストップのたび順位を上げて、暫定4番手となった25周目にピットイン。

 この間に順位を落とした中山選手だったが、全車一通りドライバー交代を終えてレースが落ち着きを取り戻していた時には8番手に。さらに41周目には1台を交わして7番手に浮上する。続いて迫ったのはポルシェだったが、ストレートが速いため、なかなか抜きあぐねて前に出ることは許されずにいた。

 その間、3番手を走行していた車両にクラッシュがあったため、またポジションをひとつアップ。件のポルシェも、56周目にようやく抜き去り、5番手に浮上する。ただ、さらなるポジションアップを狙いたいところだったが、もはや残り周回は少なく……。4番手の車両に2秒差にまで迫ったところでチェッカーが振られてしまう。

 5位でゴールした「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、結果的にドライバーランキングを5番手に下げてしまったが、トップとの差は10ポイントに抑えることとなった。残す2戦はいずれもツインリンクもてぎが舞台。昨年、優勝を飾って最後を締めた、非常に相性のいいサーキットである。

 いずれもガチンコバトルになるのは、もはや必至であるが、目指すはもちろん2連勝での王座獲得だ。

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