そしてもうひとつ、「戦い方が変わる」と多くのチーム関係者が口にしていたことも気になる。かつてのスーパーGTでは、6位以下はウエイトを降ろせるシステムを採っていたことがある。
当時は、ウエイトの搭載を嫌ってポジションを譲るというレースが度々起きてしまった。今回の新ルールではウエイトを降ろすことはできないが、どうなるか。それも戦略のひとつであり、より多くのチームに優勝、上位入賞のチャンスが訪れることをファンに喜んでもらえるか。その答えが分かるのは、シーズン終了後だ。
GT300は、ほかにも新たな変化で溢れている。埼玉トヨペット Green Brave(52号車)がJAF-GT規定で製作したGRスープラに、つちやエンジニアリング(25号車)はトヨタ86 MCからポルシェ、X Works(33号車)はニッサンGT-Rからアウディへとマシンをスイッチ。JAF-GTのBRZとプリウス PHVはアップデートし、メルセデス AMGもエボモデルへと進化している。
INGING(6号車)は新チームとして86 MCで参戦。 PACIFIC NAC D’station Vantage GT3(9号車)とSYNTIUM LMcorsa RC F GT3(60号車)はミシュランを履き、タイヤ戦争も加熱しそう。また、柳田真孝、スタディ BMW M6(7号車)がGT300に復帰。体制を大幅に変更したチームもある。
岡山テストでは、柳田が加入したシンティアム・アップル・ロータス(2号車)がトップタイムを刻み、ドライバーもチーム体制も刷新したHitotsuyama Audi R8 LMS(21号車)がそれに続いた。
昨シーズン、ノーポイントに終わったTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)も、4番手と好発進。逆に昨年の岡山テストでトップだったK-tunes RC F GT3(96号車)、3番手だったグッドスマイル 初音ミク AMG(4号車)の順位が下がっているが、96号車はタイヤをブリヂストンからダンロップに変更、4号車はエボモデルになったことの影響もあるのだろう。体制を変更した昨シーズン王者の55号車も含め、テストが進めばいつものポジションに上がってくるはずだ。