持ち込みセットアップの他にも、2レース制の難しさは土曜日のレースにも出てくる。RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴が話す。
「2レース制のリスクがあるとすれば、1点でも多くポイントがほしい状況で、土曜日に無理をしてクルマにトラブルやアクシデントが起きてしまったら日曜日に影響がある可能性があること。前に行かないといけないけど、いつものレースとは違って抑えないといけないバランス、気持ちの持って行き方は変わると思います。やっぱり流れは大事ですからね。日曜日に影響のある接触とかレースのリザルトになってしまうと、日曜日に立て直すこともできるけど、失ってしまうこともある。それが2レースの面白さでもあるし、怖さでもあると思います。それはスーパーフォーミュラの最終戦で2レースを経験しているドライバーなら、有利な部分もあるのかもしれないですね」
それでも山本は、2レース制をネガティブに捉えるドライバーはいないのでは、と推察する。
「GTでは初めての2レースのフォーマットになりますが、結局、速いクルマはどんなフォーマットでも前に来ると思っています。それは土曜日と日曜日でウエイトハンデが変わっても同じ。調子がいいクルマは2レースとも前に行けるチャンスがあるし、土曜日に調子が悪くても日曜日に立て直すことができる。だから、ドライバーとしてあまりネガティブに捉える人はいないんじゃないかなと思います。みんなポジティブに考えると思います」
現在ランキングトップのMOTUL GT-Rの松田次生も、2レースを戦うドライバーの心境を以下のように語る。
「1日に予選と決勝、両方を2日間やる難しさはあります。セットアップで新しいものを試すことができないし、土曜日のセッションでは日曜日を考えてあまり無理はできない。でも、無理ができないとはいえ、行くときは行かないといけないので、そこは普段のレースとあまり変わらないのかもしれません。とりあえず、軽い状態で走るのはウチは開幕戦以来なので、そこでちょっとビックリすることはあるかもしれませんね」
次生は第7戦タイでGT300のマシンと絡んでしまい、大クラッシュを引き起こしてしまった。ランキングリーダーでありながら、ここ数戦はアクシデントが多い。