SUPER GT 2020 Race Report Rd.2 FUJI GT 300km RACE
8月9日 | 天候 : 晴| コース : 富士スピードウェイ | 路面 : ドライ路面温度:42℃(スタート時)

SUPER GT2020年シーズンの第2戦はチーム、ドライバーともにミスなく走り切りスタート直後からポジションアップを続け、16位でフィニッシュ

約3カ月遅れてシーズンがスタートした「AUTOBACS SUPER GT2020 SERISE」。本来ならば4月から11月までの7ヶ月間で8戦を開催するスケジュールが組まれていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって開幕戦が7月まで延期されていた。そのため今季の新たなスケジュールでは最終戦が11月末となり、5ヶ月の間で8戦のシリーズが繰り広げられる。従ってレースごとのインターバルは短くなり、開幕戦と第2戦は2週間の間隔で実施されることとなった。

 初戦はポイント獲得まであと一歩となる13位で終えたLMcorsa。短いインターバルの中で改善点をしっかりと見つけ出し、第2戦が開催される富士スピードウェイへマシンを送り込んだ。第2戦の「たかのこのホテルFUJI GT 300km RACE」は、8月8日(土)に公式練習と予選、9日(日)に300kmの決勝レースを実施。開幕戦では決勝レース中のラップタイムが伸びないことが課題となったが、第2戦の公式練習でも想像以上に厳しい戦いが待ち受けていた。午後に行なわれた予選までにセットアップを変更するなどして挑んだが24位となり、決勝レースは24番グリッドから追い上げを図ることとなる。

 9日は前日と同様で猛暑日とはいかないまでも気温は30℃ほどまで上がり、ドライバーとマシンともに厳しい戦いとなった。11時40分から20分間に亘って行なわれたウォームアップ走行は、吉本大樹選手と河野駿佑選手ともにSYNTIUM LMcorsa RC F GT3のステアリングを握り、決勝レース前の最終的なチェックを行なう。

 そして予定通りの13時にスタートした66周の決勝レース。SYNTIUM LMcorsa RC F GT3には吉本選手が前半のスティントを担当した。スタート直後から先行車を追う吉本選手は、1周目に1台、2周目、3周目にも1台ずつをパスして3周目には21番手に浮上。

 7周目には自己ベストタイムとなる1分39秒860をマークして、さらに1台を抜く。開幕戦では路面コンディションとタイヤの性能が合わなかったが、今戦は改善しラップタイムの落ち込みも少なかった。チームはタイヤの摩耗が激しいければ、最短で18周目にピットインすることも想定していた。だが、吉本選手はラップタイムを落とすことなくタイヤの摩耗をセーブしながら走行。ライバル勢は20周前後からピットに戻り、ドライバーやタイヤ交換などを行っていくが、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 は28周目までピットインを引っ張った。

 4本のタイヤ交換と給油、そしてドライバーを河野選手にチェンジしてコースイン。吉本選手がピットに戻るときには、上位陣がすでにドライバー交代を実施していたこともあり一時は8番手まで上がっていたが、河野選手がコースに復帰すると24番手となった。34周目にはすべてのマシンがピットインを完了するとSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 は19番手まで浮上。この周に河野選手は1分39秒457の自己ベストタイムをマークし、さらに上位を目指した。

 ペースは想定していたよりも若干遅かったというが、それでもコンスタントに1分40秒台で周回。ライバル勢も同等のタイムで走行するためにパッシングまでいたらないが、46周目と最終盤の59周目に先行していたマシンが後退したために1つずつポジションをアップし、60周目に17位でチェッカー。最終的な結果は上位に入ったマシンに走行中のペナルティがくだされたために16位となった。

 結果としては開幕戦よりもポジションを下げたが、課題となっていた決勝レースでのラップタイムやタイヤ摩耗で悩まされることはなく、フラストレーションが溜まった開幕戦と比べて内容としては改善。次戦は、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3との相性が良いコースでもある鈴鹿サーキットが舞台となる。1週間のインターバルしかないが、トップ10フィニッシュを目指して限られた時間で課題を克服していく。

2020年スーパーGT第2戦富士決勝 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
2020年スーパーGT第2戦富士決勝 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3

Team Comment
■Director : 飯田 章

「開幕戦と同様に無観客のレースとなりましたが、すべてのレース関係者が感染防止のために協力し、取り組みを行なっていることは素晴らしいと思います。決勝レースは、前戦や昨日の状況を改めて振り返り、セットアップを含めて改善していきました。それが奏功し、ラップタイム、リザルトともに開幕戦を上回ることができました。決して満足いく結果ではないですが、一つずつの積み重ねで好成績が残せると考えています。次戦に向けても、マシンの良い部分を見つけて少しでも良い結果を求めていきたいです」

■Driver : 吉本 大樹
「開幕戦は路面状況とのマッチングで苦労しましたが、今戦の決勝レースではライバル勢ともバトルができました。しかし、ポイント獲得はできていませんし中段グループを走っている状態なので、まったく満足はしていません。今回もスタートを担当したのですが、序盤で数台をパスしたこと、そして想像以上にタイヤの性能が保てたことは良かったです。河野選手も最後までペースが落ちなかったので、この戦いをもっと上位でできればと思います。次戦はサーキットが変わるので、新たな気持ちで臨みたいです」

■Driver : 河野 駿佑
「スタートの吉本選手が周回数を稼いでもらったので、柔らか目のタイヤを履いて後半のスティントを戦いました。昨日の公式練習で試したセットアップも合っていて、最後までペースが落ちなかったのは良かったですが、想定していたペースより少し遅いのは課題です。開幕戦に比べれば、マシンのパフォーマンスを引き出せたと思うので、結果がついていませんが収穫はありました。次戦はメーカーテストで走った鈴鹿サーキットですが、コンディションが異なるのでどうなるか分かりません。それでも最善を尽くして戦っていきます」

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