レース中にもピットアウト時にファストレーンを走行するGT300のマシンとタイミングが重なり、メカニックが制止するシーンもあった。そこで数秒ロスしたことも、流れの悪さを感じさせるが、鈴木監督の見解は異なる。

「あれは避けようがないタイミングでしたが、周囲をよく見ていたウチのメカニックの西田のファインプレーです。危ないリリースにならないようにクルマを止めてくれた。ロスといっても1秒かそこらなので、そのロスよりもGT300とのタイミングが合わさる方がリスクなので、冷静に判断してくれました。ピット作業自体も、チャンピオンチームらしくいつもどおりの素早い作業でした」

 日曜の第8戦最終戦、実質、タイトルはMOTUL GT-RとDENSO KOBELCO SARD RC Fの一騎打ちの様相になりつつある。まずは午前8時40分からの予選順位が鍵になることは間違いない。対戦相手となるDENSO RC Fの予選担当の平手晃平も、土曜日の結果で俄然、モチベーションが上がっている。

「ランキングトップになって何か気持ちが変わるかなと思っていたけど、今日は2位で負けてすごく悔しいので、まだまだチャレンジャーの気持ちですよね。やっぱり無冠のチャンピオン(シーズン0勝)よりも勝ってシーズンを終わりたい。明日は僕の予選次第ですよね。クルマはいい状態なのはわかっているので、守って走るという気はないし、明日も攻めて行きたい」と、勢いに乗る。

 鈴鹿1000kmのガス欠、タイでのクラッシュ、そしてこのもてぎの土曜日と、『らしくない』展開が続いている2年連続チャンピオンのMOTUL GT-R。開幕以来となるウエイトハンデ0kgのガチンコ対決で、本来の速さと強さを見せることができるのか。まずは平手と予選で対峙することになるロニー・クインタレッリが、これまでの負の流れを断ち切れるかが最初の勝負どころとなる。

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