レース中盤、24周目にミクAMGもピットイン。谷口選手に交代し、タイヤも4本交換してピットアウト。JAF-GT勢はタイヤ無交換をしているチームがほとんどで、ミクAMGはどうしてもピット作業に時間がかかるため、アウトラップは9位まで落ちてしまう。

 そして、タイヤが暖まっていないアウトラップ中に、3号車(B-MAX NDDP GT-R)に前に出られてしまった。3号車より約0.5~1秒くらい速いペースで走っているので、すぐに追いついたが、オーバーテイクがなかなか難しい。

 このバトルは終盤まで続くことになる。その間、他チームのピットインやスローダウンなどで、38周目に5位まで順位を戻していた。

 39周目にペースを落としていた26号車(TAISAN SARD FJ AUDI R8)を、まずは3号車が抜き去り、ミクAMGも抜こうとしたそのとき、若干接触してしまう。足回りやタイヤのトラブルが心配されたが特に何も起きず、少々先に行ってしまった3号車をジワジワと追い込んでいく。

片岡龍也、谷口信輝
片岡龍也、谷口信輝

 3号車より1秒近く速いペースで周回し、45周目についにオーバーテイクに成功! これで3位表彰台圏内に入った。この時点でレースは残り5周を切っており、1~2位には10秒ほどの差がついていたため、これ以上上位に行くことは叶わず……。

 ペース的には上位2台より速かったので、3号車とのバトルがなければもしかしたら……という可能性もあっただけに残念だが、開幕戦以来となる表彰台に上ることができた。

 開幕戦で2位を獲得した後、停滞してしまった2016シーズン。最終戦前に王座奪還の夢は潰えてしまったが、最後の最後に3位で表彰台に乗れたことは、諦めずに応援してくれたファンに対しても、チームにとってもひとつの光明が見えた。そんな2016年の締めくくりだった。

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