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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.05.05 09:30
更新日: 2021.07.01 16:28

強心臓の河野駿佑が演じた“冷静なる接近戦”。注目の師弟コンビがタイトル戦線に浮上【GT300決勝あと読み】

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スーパーGT | 強心臓の河野駿佑が演じた“冷静なる接近戦”。注目の師弟コンビがタイトル戦線に浮上【GT300決勝あと読み】

 飯田章監督は「今年、チームがクルマとタイヤを思い切って変えてくれたので、結果が残って本当によかった」と安堵の表情を見せる。

 また、吉本と河野のコンビについては「若手と若手を組ませるのもいいと思うけど、こういう形でドライバーを育てるのもありだと思っている。シュンはテクニックはあるし、経験もそこそこ積んでいるけど、これからは“臨機応変”っていうのをもう少し学んでいくだろうね。自分に頼るところと、言い方は悪いけど人に頼るところ、それをうまく使い分ければ、もっともっといいドライバーになれると思う」と語った。

 GT300においては、ある種の名物とも言える“師弟コンビ”。結成2年目の吉本・河野組が結果を残したことで、侮れない実力を備えた注目コンビが誕生したと言えそうだ。

 飯田監督のコメントにもあるように、LM corsaとしては車両をRC FからGRスープラに変更し、タイヤをミシュランからダンロップに再変更して、2戦目での優勝。GRスープラ、ダンロップともに昨年のGT300では強さを見せているため、2戦目でのスピード優勝もうなずけるところではあるが、“生みの苦しみ”はあった。

 小藤純一エンジニアによれば、3月下旬の富士での公式テストまでは部品の不都合などもあり、富士で居残りのテストをしても「60%くらいの出来」だったという。公式テストでは、同じGRスープラ勢である埼玉トヨペットGB GR Supra GTに「セクター3だけで1秒、置いていかれていた」と語る。

 開幕戦岡山ではQ1トップタイムをマークするなど速さの片鱗は見せたが、まだまだGRスープラをものにできていなかった。そこで開幕戦後に改めて計測や計算をして、セットアップに「ビッグチェンジを施して」富士に乗り込んできた。

 吉本も「走り始めてみるまで全然分からなかった」と言うが、このビッグチェンジは成功しており、岡山までと比べるとマシンの感触は格段に良くなったという。セクター3での遅れも取り戻すことができていた。

 今回優勝したことで、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは第3戦で69kgというサクセスウエイトを積むことになる。(第2戦時点での)BoP重量と合わせると1319kg。

「テストでは1330kgでも走っているんですが、1300kgを超えると極端にウエイトが効いてくる。だから、次からは結構厳しくなるんじゃないかと思っています」(小藤エンジニア)と、今後は高速コーナーを武器にしつつ、重量とうまく付き合う方法を見つける必要がありそうだ。

「今回は52号車がストップしたから勝てたけど、もっとチームを強くして、クルマも開発して、ガチンコで52号車やほかの強豪チームにもに勝てるようにしたい。ますます強くなっていきたい」と吉本は意気込む。「ますます強く」なれば、タイトル争いに名乗りを上げる存在ともなりそうだ。

2021スーパーGT第2戦富士 飯田章監督/河野駿佑/吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)
2021スーパーGT第2戦富士 飯田章監督/河野駿佑/吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)
2021スーパーGT第2戦富士 表彰台での吉本大樹と河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)
2021スーパーGT第2戦富士 表彰台での吉本大樹と河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)


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