前回に続いて、日曜日になると天気は良くなり、SUGOの上空には青空が広がっていた。きになるのは温度の上昇だ。しかしながら、決勝レースを前にして行われたウォームアップにおいて、『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は絶好調。最初の1周だけ織戸選手が乗って、確認を行った後、ここでようやく永井選手にレースウィーク初めての走行が許される。
1分21秒116をベストタイムに、1分21秒台から1分22秒台の前半でコンスタントに走り続けていたのだ。このセッションの順位は6番手と好走を見せ、走行後の永井選手からも「決勝で挽回!」と力強い言葉も返ってきた。
さて、気になる気温は29度、路面温度は46度にまで達していたが、ウォームアップの感触からすれば、タイヤは問題なく対応してくれそうだ。もちろん、今回もスタート担当は織戸選手。果たして、今回はどこまで順位を上げてくれるのか?
フォーメイションラップは隊列が整わなかったということで、1周追加されてレースラップは逆に1周減算された。まずはオープニングラップ、織戸選手はポジションそのままに17番手でレースを開始する。だが、その後しばらくポジションアップを許されなかったばかりか、逆に11周目には1台に先行されてしまう。今回は我慢の走りを強いられた一方で、ライバルが早めのドライバー交代を行うたび順位が上がっていったのも事実で、レースのほぼ折り返しとなる41周目には、2番手にまで上り詰める。
織戸選手のロングスティントは、予定どおり。これでアクシデントが発生し、セーフティカー(SC)が入るなり、FCY実施なりで直前にピットに滑り込むことができれば、一気に好機到来となる……はずだったのだが。GT500で車両火災が発生し無念にも44周目にSCが導入された。SCボード提示のタイミングと走行位置が合わず、ピットインがかなわず。
52周目にリスタートが切られ、その周に永井選手と交代した『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』ながら、それまでのSCとトップ車両の位置関係に恵まれず、コースに戻った時にはラップダウンとなっていたという大不運が……。
これで完全に勝負権を失ってしまったばかりか、61周目の2コーナーで永井選手が追突され、スピンしてしまう二重の不運。それでも最後まで諦めずに走り抜き、トップから1周遅れの20位でレースを終えることとなった。
次回の舞台、オートポリスでは前述のとおりプライベートテストを行っていて、これまでのレース以上に事前の準備万端の状態で臨めることとなる。活躍を期待いただきたい。
■決勝後コメント
永井宏明選手
「SCで勝負権がすべてなくなっちゃったので、本当に残念なレースになってしまいました。僕のスティントでも後ろからぶつけられて、回ったりもしているんですが。織戸選手が本当に粘り強く走ってくれていて、そのまま行ければ、もうちょっといいレースできたかもしれない、って思いましたけどね。次回のオートポリスで巻き返します!!」
織戸学選手
「まぁ、しょうがないですね。今回は公式練習をまともに走れなかったので、クルマのセットを詰め切れなかったのが決勝にも響いて、厳しいレースになってしまいました。次ですね!」
金曽裕人監督
「昨日、朝のフリー走行でトラブル出たところから流れが悪くなってしまって、さらにSCですね。心の叫びを言うと『今かよ!』って。『これも時の運、これもレースだね』、というところで、クルマの良し悪し以上に、運に見放されてしまいました。クルマも、もうちょっと詰められたら、と反省しているところもありますが、全体的には悪くなかったです。次のオートポリスではプライベートテストしていますからね、今度はドタバタすることなく、再びいい走りをしてくれると思います」
