更新日: 2021.10.28 17:12
#31 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT 2021スーパーGT第6戦オートポリス レースレポート
2021 AUTOBACS SUPER GT
ROUND6 オートポリス
開催地:オートポリス(大分県)/4.674km
10月23日(予選)
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
観客数:6,500人
10月24日(決勝)
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
観客数:10,300人
2年半にして FR プリウスが初優勝、チームにとって5年ぶりの勝利に!
全8戦で競われる、国内最高峰レースのスーパーGTに、aprはTOYOTAGRSPORTPRIUSPHV(ZVW52)の2台体制で挑み、『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』を3年目のコンビとなる、嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託す。タイヤは信頼と実績のブリヂストンを使用する。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のため、開催サーキットが限定されたため、オートポリスでのスーパーGTは2年ぶりとなる。
そしてまた、『AUTOPOLIS GT300km RACE』は第6戦として開催されることもあり、今回までサクセスウエイトは獲得したポイント×3kg積まなければならないので、ランキング上位陣は大いに苦戦を余儀なくさせられるレースでもある。
逆にいえば……。大幅な進化の過程にあるため、未だ『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は入賞できずにいるが、ノーハンデであることは絶対の武器と言える。トップ3に至っては上限の100kgに達しているだけに、今回は大量得点の大チャンスとなる可能性も、十分あるはずだ。メイク&トライは着実に進んでいる上に、オートポリスでは8月末に、さらに前戦からのインターバルに富士スピードウェイで、プライベートテストも行なっていることは、何よりもの強みとなるに違いない。
公式練習 10月23日(土)9:15〜11:18
レースが行われる週の水曜日に阿蘇中岳が噴火し、あわや中止か……と思われたものの、大事には至らず、また風向きにも恵まれて火山灰に見舞われることもなし。無事開催に至ったのは、何よりでもあった。あたりの山々はうっすら色づき、秋の気配が爽やかに感じられる中、公式練習はスタート。
気温は10度、路面温度は16度と、肌寒さも感じるぐらいでコンディションは季節どおり。ついこの前まで「暑い、暑い」と言い続けていたのが嘘のようだ。『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は嵯峨選手から走り始め、いつもとは異なり、そのまま周回を重ねていく。
すると計測3周目には、その時点のトップとなる1分44秒821をマークし、さらに2周後には1分44秒528にまで短縮を果たす。40分ほど経過したところで、赤旗中断が2度続き、再開後は中山選手と交代する。再び普段とは異なっていたのは、中山選手のままチェッカーが振られるまで走り続けるのではなく、また嵯峨選手が乗り込んだことだ。まだまだ速さを極められるという思いもあったのだろう。すると、1分44秒192を記したばかりか、1分43秒666にまで短縮を果たしたではないか!
GT300クラスの専有走行が間もなく始まろうというタイミングで、3度目の赤旗中断があり、セッション延長の発表も。再開後は中山選手がドライブして、決勝重視のセットで1分45秒419を記録。この頃、2台が先に嵯峨選手が記していたタイムを上回ったことから、3番手とはなったものの、これまでにない手応えを感じて公式予選を終えることとなった。
なお、この後に行われたFCYテストは中山選手が専任し、マイレージも十分稼いでいた。
公式予選Q1 10月23日(土)13:55〜14:05
公式練習で赤旗中断が相次いだことから、公式予選は本来の予定より15分遅れでの開始となった。今回のQ1に、『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』はA組での走行となり、担当したのは2戦ぶりとなる中山選手。気温は14度、路面温度は26度と、公式練習より高まっていたものの、想定の範囲内ではあった。
アタックは計測3周目から。ただし、10分間の計測とあってチャンスは一度のみ、全集中して挑んだ中山選手は1分42秒687をマークしてトップに躍り出る!その後に上回る者は現れず、堂々のQ1突破に成功する。
公式予選Q2 10月23日(土)14:33〜14:43
Q2を担当した嵯峨選手も、計測3周目からのアタックとなった。中山選手がトップタイムを叩き出したことで、いつも以上に緊張していたという嵯峨選手ながら、1周をきっちりまとめ上げる。その結果、マークされたタイムは1分42秒039!コースレコードをも更新して、トップにつけた。これにより『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は、FRに改められてから2度目のポールポジションから、決勝レースに臨むこととなった。なお、嵯峨選手のポールは、これが4回目となる。
■予選後コメント
嵯峨宏紀選手
「今回は走り初めから調子が良かったんです。というのも事前にテストができて、『ああ、ここさえ改善すれば』というのが見つかったので。本来いるべき位置に戻って来られて良かったです。やっぱりテストしなくちゃダメですね(笑)。今シーズンは本当に開幕から、頑張っていたんですが、なかなか結果につながらなくて、本当に歯がゆい思いをしていました。それがようやく……。実はセクター1はうまくまとめられなくて(苦笑)、うまくいっていたら夢の1秒台も出たと思うんですが、そこはご愛嬌ということで許していただいて。ここまでずっとノーポイントで来ているので、決勝ではなんとかポイントを獲りたいと、謙虚な気持ちでいきたいと思います」
中山友貴選手
「今回は非常に良い結果でした。率直に嬉しいです。やっぱりテストができたことで、しっかり問題を追求して、改善できるよう取り組む時間ができたのが、非常に大きかったと思います。自分もQ1走らせてもらってトップになれて、その流れを嵯峨選手がつなげてくれたので、本当に大きな流れを残せました。オートポリスでは2年ぶりのレースなので、決勝は荒れるかもしれないし、どんな展開になるか分かりませんが、クルマとしてのポテンシャルは上がっていると思っているので、ふたりで頑張って少しでも高いところでゴールできるよう頑張ります」
金曽裕人監督
「まわりが重量積んでいて、僕らはノーウエイトっていうのが一番の強みになったのと、たくさんの関係者の皆様に協力も得てプライベートテストを行ったことで、ハイブリッドとFRのクルマのバランスというのが、2年経ってすごく先が見えてきたというのが、ここ1カ月ぐらいのことで。皆さんのおかげで、いつもどおりのポジションというか、aprらしさが戻ってきたのが、すごく嬉しいです! 産みの苦しみで、相当時間がかかったけれども、その成果というのはハイブリッドに関して確実に次の開発に残せるデータ。すべてプラスに転じたのが、今日って感じです。明日の決勝はどうなるか分からないですけど、皆さんに授けてもらった力とともに全力を尽くすのみです」