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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.08.29 03:38

LMcorsa 2022スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2022スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート

S-GT2022 rd5 Suzuka Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

変則的なピット戦略で一時は表彰台争いに入り込んだものの
想定以上にラップタイムが伸びず、450kmの決勝レースを10位で終える

気象データ:気温28度、路面温度39度(スタート時)

 AUTOBACS SUPER GT 2022 SERIES第5戦の決勝レースが8月28日(日)に鈴鹿サーキットで実施された。8月は夏場の連戦として2回の大会が組まれていて、6~7日には富士スピードウェイで第4戦が行われた。その熱戦からわずか2週間のインターバルでチームは鈴鹿サーキット戦への準備を進めてきた。しかも、両大会とも決勝レースの走行距離は通常の1.5倍となる450kmで、チームとともにドライバーにも過酷な戦いとなった。

 GR Supra GTにマシンをスイッチして2シーズン目となるLMcorsa。昨シーズンはシリーズランキング3位を獲得し躍進の一年となったが、今季は性能調整の影響を受け開幕戦と第2戦でノーポイントとなったが、第3戦の鈴鹿サーキットで9位に入賞し、直前に行なわれた富士スピードウェイの第4戦では4位とシーズン後半に向けて徐々に調子を上げている。

 27日(土)に実施された公式練習ではラップタイムが伸びず苦戦をしいられたが、予選では路面コンディションの変化やセットアップを調整することで状況が改善していった。予選Q1では吉本大樹選手がA組のなかで7番手となり、予選Q2へ進出。河野駿佑選手が担当した予選Q2では13位を獲得した。

 迎えた28日(日)の決勝日も前日と同じく時間によって日が差し込む天気となり、猛暑日が続いた真夏の気候よりはやや穏やかに感じられた。午前中にはサポートレースやピットウォークが行われ、予定どおりの13時10分から20分間にわたって決勝レース前のウォームアップ走行がスタート。吉本選手と河野選手のふたりのドライバーは、Syntium LMcorsa GR Supra GTの最終確認を行った。

 今戦の決勝レースも第2戦や第4戦と同様で450kmの長距離レース。レース中に2回の給油作業が義務付けられていて、ひとりのドライバーの走行距離は2/3までとなっている。スタートドライバーを務めたのは吉本選手で、13番手から上位入賞を目指した。決勝レースは予定どおりの14時30分にフォーメーションラップがスタート。2周のウォームアップを経て長丁場のレースが始まった。吉本選手はオープニングラップに1台をパスして12番手に浮上すると、4周目には自己ベストタイムの2分1秒940をマーク。すると、翌周にピットレーンに進み、義務化されている1回目の給油作業とタイヤ交換を行った。

 決勝レースの序盤はライバル勢との競り合いが激しく自分のペースで走れないことや、途中でセーフティカーが入った場合には有利に働くことなどの理由から、わずか5周目にピットイン。残りの約70周をふたつのスティントに分割する作戦を獲った。24番手でコースに復帰した吉本選手は、前方がクリアな状況で周回を重ねる。10周目には23番手、15周目には20番手までポジションを挽回する。この周回あたりからルーティンのピット作業が始まり、上位を走るマシンもピットレーンに進んでいく。20周目には1回もピット作業を行なっていないマシンも混在するなかで15番手となる。

 25周目にはスタートポジションを上回る11番手となるが、このあたりからラップタイムが落ち始める。最初のピット作業が5周目だったため最低でも30周以上を走行しなければ、ライバル勢よりもピット回数が多くなってしまう。そのためペースが落ち始めたが、チームは吉本選手をピットに呼び戻すことができない。結局35周目に2回目のピット作業を行ったが、ラップタイムが落ち始めた25周目から10周の間に5台にパスされてしまった。

 後半のスティントは河野選手が担当し、残り35周以上を走行することとなる。36周目に21番手でコースに復帰すると、タイヤの消耗を気にしながら周回を重ねた。40周を超えると徐々に2回目の給油作業を行うチームが出始め、41周目には20番手、翌周には19番手、44周目には17番手までポジションを戻す。45周目にはクラッシュした車両を撤去するためにセーフティカーが導入される。セーフティカーが入ったことで後続に気付いたリードが帳消しとなってしまうためLMcorsaにとっては避けたい展開だった。

 セーフティカーランは50周目に解除され、河野選手は16番手からポイント圏内を狙った。上位陣には2回目の給油作業を行っていないマシンもいたため、実質的なポジションはポイント圏内を争う10番手付近だった。ペースが上がらないなかでも河野選手は要所を押さえて順位を上げていく。57周目には12番手までポジションを挽回するが、ラップタイムに勝る後続車両にパスされて59周目には14番手に後退する。走行する全車が2回目の給油作業を終えた61周目になると12番手となっていて、ポイント圏内まであと2ポジションとなる。

 だが上位陣のラップタイムはSyntium LMcorsa GR Supra GTよりも速くコース上でパスすることは難しかった。最終盤に先行していたマシンがリタイアしたため11番手となるが、そのままの順位で71周目にチェッカーを受けた。しかし、正式結果では10位となったマシンにペナルティが科せられたため、10位に入り1ポイントを獲得した。

 第5戦は今季2度目となるホームコースの鈴鹿サーキットだったため上位でのフィニッシュを望んでいたいが、結果としては苦しい展開のなかでなんとか入賞を果たした。

コメント
飯田章監督

「序盤にピットに入って残りの2スティントを長く走る戦略にしました。ピットインのタイミングは最適で、あわよくば表彰台を争える展開だったと思います。ただ、想像以上にラップタイムが上がらず、ふたりのドライバーにとって我慢をしてもらう内容となってしまいました。公式練習から予選に向けてパフォーマンスが上がっていただけに、決勝レースも期待していたのですがコンディションと合わなかったとしか言えません。鈴鹿はマシンとの相性も良いと考えていたので残念ですが、次戦以降もチャンスがきたら逃さず掴みたいです」

吉本大樹選手

「スタートからダブルスティントを担当しました。5周目にピットインしてロングランに対応するタイヤを履いたのですが、最後の10周は非常にきつかったです。ピット戦略としてはレース展開に合っていて、1回目のピットストップが終わった時点では上位に入ったクルマと競っていました。ただ、中盤からのペースが遅く離されていく展開でした。今回の選択肢のなかではこれ以上の結果を望むのは厳しかったと思いますが、序盤では上位を狙っていただけに残念です。次戦のスポーツランドSUGOはマシンとの相性が良いはずなので、挽回したいです」

河野駿佑選手

「前半の吉本選手のコメントを聞いていたので、なるべくタイヤの性能を終盤まで保てるように走り始めました。ピットアウトしてから10周ほどでセーフティカーが入ったのですが、そこまではポジションも守れてペース配分も良かったと思います。ただ、セーフティカーラン後はフレッシュなタイヤを履く後続が近づいたこともあり、防戦一方となりました。最終的には厳しい中でも10位に入ってポイントを持ち帰られることは収穫です。ただ、もっと上位を目指していたので納得はいきません。今回の課題をしっかりと検証して、短いインターバルですが次戦に臨みたいです」

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)


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