更新日: 2022.09.19 18:35
ホンダ 2022スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
2022年09月17~18日
スポーツランドSUGO
Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが初表彰台獲得
9月17日(土)~18日(日)、スポーツランドSUGO(宮城県)で2022年スーパーGTシリーズ第6戦が開催され、GT500クラスに5台の2022年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が出走しました。GT500クラスの車両には、今回から2基目のエンジンが投入されました。
土曜日、午前中の公式練習セッションは、雲のあいだから太陽が射すコンディションでしたが、公式予選が始まる頃には空に厚い雲が広がりました。Q1では16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(大湯都史樹)が、これまで塚越広大(NSX-GT)が持っていたコースレコードを破る1分9秒660を記録してトップでQ2進出を決めました。
Q2ではコースコンディションが変わったこともあり16号車(笹原右京)は7番手となりましたが、100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がNSX-GT勢最上位の4番手、17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が5番手、64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)が8番手につけました。8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)は9番手でした。
日曜日は台風14号の影響で雲の厚みが増すなか、午後2時から84周の決勝レースが始まりました。オープニングラップからセーフティカーが導入される荒れた展開となりましたが、序盤から100号車(牧野)が2番手に進出しトップを走る38号車GRスープラを追いかけ始めました。
ところが10周を過ぎる頃から雨が降り始め、15周目には本降りとなりました。路面が濡れ、多くの車両が予定外のピットインを行いレインタイヤに交換するなか、16号車(大湯)と17号車(松下)はコースにとどまって周回数を稼ぐ戦略を選択。この結果、見かけ上のトップには17号車(松下)がつけ、16号車(大湯)が2番手に続く展開となりました。
雨が降り続けるなか、17号車(松下)は17周でタイヤ交換のためピットイン、順位を落としましたが、16号車(大湯)はドライタイヤのまま走行を続行。その後、19周目にフルコースイエロー(FCY)が出る直前にピットに入りレインタイヤに交換したことでロスタイムを最小限にとどめ、コース復帰後には3番手まで順位を上げることに成功すると、36周目まで走ってドライバー交代のためにピットに入りました。
マシンを引き継いだ16号車(笹原)がコースに戻ると、雨は弱まりコースが乾きはじめました。レインタイヤの消耗が急激に進むコンディションのなか、笹原はレインタイヤで粘り強く走り続け、49周目にドライタイヤへ交換。その後、16号車(笹原)は3番手へとポジションを上げ残りの周回数を走り抜き、NSX-GT勢最上位の3位入賞を果たしました。また、64号車(伊沢/大津)が7位、100号車(山本/牧野)が8位に入賞し、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。
佐伯昌浩 HRC スーパーGT ラージ・プロジェクト・リーダー
「今シーズンは後半勝負ということで、今回から2基目のエンジンを投入して盛り返していこうと考えていました。しかし、残念ながら雨が降ったりやんだりのダンプ路面でのレースとなった結果、NSX-GT勢のなかでポイントランキング上位にいた3台がうまくポイントを重ねられずに終わりました。その一方で、16号車が一番いいタイミングでピットに入り、しっかりと表彰台に上がったのは大きな成果でした。2基目のエンジンには手応えが得られたので、これを使って残り2戦で巻き返し、最終戦ではチャンピオン争いの中心で戦っていきたいと思います」
笹原右京 TEAM Red Bull MUGEN
「Q1で大湯選手がトップタイムだったので、Q2ではポールポジションを獲るつもりで臨みました。しかし、気温の低下によるためか思うようなグリップが発揮できず、7番手に終わってしまい悔しかったです。決勝は最初のスティントで大湯選手がものすごくがんばってくれた後を引き継ぎウエットタイヤで走りはじめましたが、路面が急速に乾いて、すぐに消耗してしまう状況になってしまいました。苦しくなったところでチームがピットに呼んでくれたので、ドライタイヤに変えることができ、粘ったおかげで表彰台に上がれて満足です。総合力で勝ち獲った結果だったと思います」
大湯都史樹 TEAM Red Bull MUGEN
「Q1で出したコースレコードはすぐに書き換えられてしまったとはいえ、あの時点で最高のパフォーマンスを出せたことは素直にうれしいです。(予選は7番手だったが他車のペナルティーにより)6番グリッドからスタートしましたが、ドライのペースはあまりよくありませんでした。雨が降ってきて一時期はとても強くなり、ステイアウトする(コース上にとどまる)のは非常に苦しい状況でしたが、ドライタイヤでのペースを考え『これはしっかりステイしよう』『このまま行くしかない』と判断しました。その判断がうまく結果につながり、笹原選手にいい状態で引き継ぐことができ、結果的にこの順位を獲れたので本当によかったと思います」