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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.11.16 17:01

apr GR SPORT PRIUS GT 2022スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

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スーパーGT | apr GR SPORT PRIUS GT 2022スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

2022 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT300km RACE GRANDFINAL
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県)/4.801km
11月5日(予選)天候:曇りのち晴れコースコンディション:ドライ観客数:13,500人
11月6日(決勝)天候:晴れコースコンディション:ドライ観客数:26,000人

PRIUSGT、11年目の集大成ならず。最後はまさかのエンディングに……。

 全8戦で争われるスーパーGTは、いよいよ最終戦を迎えた。「MOTEGI GT 300km RACE GRANDFINAL」が、モビリティリゾートもてぎで開催された。2台体制で挑むaprが、コンビ結成4年目の嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託すのは、お馴染みのTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)『apr GR SPORT PRIUS GT』。タイヤは引き続き信頼と実績のブリヂストンを使用する。

 前回のオートポリスでは、予選19番手から15位でゴール。ストレートパフォーマンスを欠き、コーナーで前を行く車両との間隔を詰めても、続くストレートで引き離されてしまう現状では、これが限界でもあった。さまざまなメイク&トライを重ね、コーナーのボトムスピードは優勝した昨年のレースを上回っていたというのに。これ以上の進化は望めないと判断し、断腸の思いではあるが、今回のレースを『apr GR SPORT PRIUS GT』のラストランに……。

 2012年からの導入でチームにも、ドライバーにも思い入れはある。有終の美を飾るべく、ベストを尽くす。

公式練習 11月5日(土)9:35〜11:10

 最終戦の舞台、モビリティリゾートもてぎはストップ&ゴーが繰り返されるレイアウトで知られ、タイヤにかかる負担はそう大きくないものの、ブレーキを大いに酷使する。終盤になってブレーキが悲鳴を上げて、ペースダウンを余儀なくされることも少なくないほどだ。ストレートは決して長くはないが、コーナー立ち上がりの加速に勝れば、より有利にレースを戦えることもあって、パワーサーキットの性格も実は兼ね備えている。今回の公式練習では中山選手が中心となって、セットアップが進められていった。最初のスピードチェックで記録されたのは、1分48秒149。

 だが、その時点でトップは、すでに1分46秒台に到達。その後、さまざまな要素がトライされることによって、セッション中盤には1分47秒968を記録するまでとなるが、まだ十分ではない。尚も様々なことが中山選手によって試されていくが、大幅な改善は果たせずじまい。そのタイムがセッションベストとなり、23番手に甘んじるも、最後の専有走行を含む終盤に、交代した嵯峨選手が1分49秒972を自己ベストに、コンスタントにタイムを刻んでいたことは、バランスも悪くない状況の証明でもあった。

 その後に行われたFCY(フルコースイエロー)テストの時間も、嵯峨選手、中山選手の順で時間を残すことなく走行し、マシンは最後まで詰め続けられていた。

2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

公式予選Q1 11月5日(土)14:38〜14:48

 今回、『apr GR SPORT PRIUS GT』は予選Q1をB組での走行となり、アタックは中山選手が担当した。気温は公式練習と変わらず16度、路面温度は2度上がって27度。タイヤのレンジは外れていない。それでもウォームアップはじっくりと行われて中山選手は計測3周目からアタックを開始。

 1分47秒746を記した後、1分47秒229を記してチェッカーを受けることに。しかし、トップは1分45秒台に叩き込んでおり、Q1突破のボーダーラインにもコンマ5秒及ばず。11番手に終わって、決勝には21番グリッドから臨むこととなった。

嵯峨宏紀選手

「このレースウィークの前に、もてぎでタイヤメーカーテストして乗り込んでいますが、その時から比べたらタイムは良くなっています。そうはいってもトップとのタイム差は大きいですし、マシンパッケージ的にも限界までは詰めれたと思います。ある程度、想定していた結果ではありますが、コーナーを立ち上がり重視で走っても、ストレート一本で大きく離されてしまっては、もうどうにもなりません。とはいえ、プリウス最後のレースですし、結果を出すのはこのパワーでは難しいかもしれませんが、最後やっぱりきれいな状態で終われるように、明日は行きたいと思います」

中山友貴選手

「今回のレースでプリウスが最後ということなので、本当に思い残すことがないように挑んでいるんですけど、やっぱり性能調整が変わってから、すごく厳しい戦いを強いられていて、ひとつひとつ改善しようとやってきましたが……。トップとの差はありますけど、秒単位で改善できているのは、作業を着実にやっていった結果だと思います。Q1を通るにはだいぶ足りませんでしたが、やるだけやったかなという感じです」

金曽裕人監督

「悪くないですよ、出すもの出しているし、車のセットも良くなっていますし。でも、ノーウェイトなのに最高速が10km/h以上、こんなストレートの短いサーキットで差がつくような状態では、もうお手上げです。厳しい今の規則の中でプリウスとしては、元気に走っています。アタックもノーミスだし、中山選手にいろんなセットを取ってもらって、ある程度、集大成に近いところでのアタックだったと思います。でも、これが今の限界。タイヤもすごく良かった。1点獲ることが、ラストランの目標です」

2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

決勝レース(63周) 11月6日(日)13:00〜

 決勝レースは小春日和の、穏やかなコンディションのもとでバトルが繰り広げられた。直前に行われたウォームアップは、スタートドライバーを務める中山選手が走行。

 決勝セットに改められ、1分49秒222をベストに、1分49秒台をコンスタントにマークしていただけに、感触は悪くない。淡々と走って、チャンスを待つ。しっかり走り続ければ、自ずと結果もついてくるはずだ。実際、スタート直後の大渋滞を巧みにすり抜け、『apr GR SPORT PRIUS GT』は3ポジションアップとなる18番手からレースを開始。5周目には一台をかわすなど順調ではあった。

 そんな中、チームメイトの「apr GR86 GT」が8周目の3コーナーで、GT500車両に追突されて、姿勢を乱したところを、さらに後続車両にぶつけられてリタイアする事態が! いったんはFCY提示も、ストップ車両から液体が漏れていたため、処理が必要ということで、すぐにセーフティカー(SC)ランに切り替えられる。

 やがて処理も完了し、隊列も整えられて、間もなくSCランも終了……というタイミングで、目を疑うような光景が飛び込んでくる。ホームストレートで『apr GR SPORT PRIUS GT』が、前を走る車両に激突! コース上にパーツの破片が散乱している状態で、2台がストップしていたのだ。両車のドライバーに怪我がなかったのは何よりだったが、とてもレース続行可能な状態ではなく……。嵯峨選手に最後のバトンを託すことなく、『apr GR SPORT PRIUS GT』はラストランをリタイアで終えることとなった。

嵯峨宏紀選手

「残念です。本当にプリウスのラストランだったので、後半乗る予定でしたが、結果はどうあれ、乗って終わりたかったというのが、まぁ正直なところですけど……。う〜ん。ちょっと、何とも言えない複雑な心境ですね」

中山友貴選手

「トラブルではなく、SCが先頭に追いついた隊列の渋滞の後方で、僕が止まりきれないでぶつかりました。クラス分けされて、レース再開まで間もなくという状況に差し掛かるところで、前後の順位の確認や、GT500のトップから邪魔しちゃいけない車の確認をしていた時、少し前が加速したタイミングで後ろの様子を見ていて。パッと見たところで前がかなり減速していたので、止まりきれずぶつかってしまいました。相手のチームには本当に申し訳なく思います」

金曽裕人監督

「大好きだったプリウスのラストレースをきれいに飾れず、プリウスにも申し訳なくて仕方がない。そして、本年もサポートしてくださった方々、応援してくれたファンの皆さんに、申し訳なく思います。ドライバーふたりに怪我がなかったのは良かったですが、完全に我々のミスとしか言いようがありません。そして、チームマッハの関係者の皆様に、心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ありません。また、規則的にもハイブリッド車両、GT300規則車両が劣勢を強いられた今シーズンを温かく応援下さった皆様に御礼申し上げます。来季に関してはまったく違った新しいパターンで、次の時代にチャレンジしますので、ご期待ください」

2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2022スーパーGT第8戦もてぎ apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)


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