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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.05.08 15:34
更新日: 2023.06.14 10:41

TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
第2戦富士、奮闘の8位で2戦連続ポイント獲得!

2023 SUPER GT 第2戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』(5/3~4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選3万1600名、決勝4万8000名 合計8万200名

 5月4日(木・祝)、8万を超える大観衆が詰めかけたスーパーGT第2戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』の決勝が行われ、15番グリッドからスタートした関口は序盤6位から連なる集団の後方13位で虎視眈々とチャンスを窺いながら好バトルを展開。順位を挽回していき、39周を終え中山と交代。堅実な走りで中山がポジションアップ、74周を終え2回目のピットイン後にダブルスティントも敢行して追い上げた。終盤に前の23号車に追いつく勢いを見せたがチェッカー。結果、奮闘の8位フィニッシュを果たし、貴重な開幕2戦連続でのポイント獲得となった。

■事前情報

 恒例のゴールデンウィーク開催となる第2戦は富士スピードウェイが舞台。当チームパートナーでもあるFUJIMAKI GROUP様がラウンドパートナーを務め大会名称は『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』。先日の開幕戦岡山では公式練習走行のクラッシュから周りのサポートを受けて決勝までに修復し、殊勲の8位入賞を果たしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra。

 5月3日(祝・水)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、4日(祝・木)決勝は13時30分スタート。レース距離は450km(100周:約2時間半)で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。1人のドライバーの最大運転周回数は66周まで。サクセスウェイトは現獲得ポイントの倍となる6kgを搭載する。重量増による富士でのタイムの落ち込みは、6kgだと約0.1秒ほど。

 霊峰富士の麓にある富士スピードウェイは1.5kmにおよぶ世界屈指のロングストレートを持ち、道幅が広く低速から高速までパッシングポイントが多く非常にバラエティ豊かなダイナミックなサーキット。3月末のGTA公式テスト富士では2日間とも雨に見舞われたが、DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、2日目のセッション4で3番手タイムをマークしている。昨年同大会では巧みなレース戦略で後方から追い上げてトップを走る快走を見せただけに、ここで良い結果を出してシリーズの流れを大きく引き寄せていきたいところ。

 各チームとも様々な戦略をとって450kmレースを経験済みなだけに、用意周到に臨んで来るであろうことから、いっそう高度で緻密な戦略が要求される。また、長丁場なだけに天候や運も含めてチームの総合力によって勝負が左右される第2戦富士。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって困難に負けない強靱な心で不撓不屈に勝利へ向かって突き進んでいった。

■公式練習走行

 3日(水・祝)9時5分から開始された公式練習走行は、気温18度/路面温度30度の五月晴れの中、85分間の混走セッションが開始された。スタート第1スティントまで使用できるタイヤは5セットと規定されていることから公式練習走行から従来の走行プログラムの組み立て方は変わった。まずは今回の主軸に置いたミディアム系ドライタイヤを装着して中山がコースイン。クルマのバランスやタイヤ評価を行いながら走行し、6周目に1分28秒578とその時点で7番手タイムをマーク。15周目からは関口が同じタイヤを評価しながら、セットアップ中心のプログラムを進めていった。混走セッションはトータル31周を走行して、最初に中山がマークした1分28秒578のタイムで14番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは、気温21度/路面温度35度に上昇。関口がミディアム系ドライタイヤで予選のアタックシミュレーションを実施。4周目に1分28秒610をマークして公式練習走行ではトータル37周を走行し14番手となった。その後のFCYテストは関口が担当して、予選に向けての準備中心の走行。サーキットサファリでは中山が担当して、決勝へ向けたセット確認を行い非公式ながらトップタイムをマークして燃料を多く積んだ状態で好感触を得られる結果となった。

2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■公式予選

■Q1:関口が不運でまさかの15番手タイムに

 3日(水・祝)15時48分から開始されたQ1は、気温20度/路面温度35度。いつもより開始時間が遅くタイヤのウォームアップが懸念された。コースオープンしてからほどなくしてピットを離れた関口は、ミディアム系タイヤを装着。丁寧に熱をタイヤに入れていった。だが周囲とのタイミングが良くなく前走車のペースは遅く、後方からもアタックタイミングの違う車両がアタックを開始しており、追い抜かせるため道を譲るなど、速い一定のペースで十分にタイヤに熱を入れられない状況。

 アタックをしようとした周もセクター1でペースの遅い前走車数台の集団に前を阻まれてしまう不運で、やむなく次の周にアタックを開始した関口は、セクター1、セクター2とタイムが思うように伸ばせず、セクター3でもトップにコンマ6秒落ちのペースとなった。クルマは持ち込みセットからコンディションに合わせたセット調整が進みフィーリングは良かったものの、タイムにつながらず。また思うようにアタックが出来きずに、まさかの15番手に。さらには予選後のメンテナンス中に不具合も見つかるなど、不運に見舞われた公式予選となった。

2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■決勝

■ウォームアップ走行

 4日(木・祝)12時から開始された20分間のウォームアップ走行は気温21度/路面温度36度の晴れ。DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、中山がドライタイヤのミディアム系2セットをベディングと、決勝セットの確認のため6周走行して関口と交代。29秒台の中頃でペース良く走れており、フィーリングからも期待がかかる内容に。ウォームアップはトータル11周を走行。9周目に関口のマークした1分29秒320で4番手タイムをマークした。

■決勝レース

第1スティント:関口が虎視眈々とチャンスを窺う走り

 4日(木・祝)13時30分決勝スタート時点は気温22度/路面温度38度と絶好のレース日和のコンディション。コース全体が大観衆で周りを埋め尽くされた中で静岡県警のパレードラン、フォーメーションラップの後、グランドスタンドの大きな応援フラッグがたなびく中、大歓声とともに450kmレースがスタート。上位の38号車がピットスタート、また1コーナーまでに64号車をかわしたDENSO KOBELCO SARD GR Supraを駆る関口は、2ポジションアップの13番手に浮上。6位から連なる集団の後方13位で虎視眈々とチャンスを窺いながら好バトルを展開していった。

 300クラスが絡み始めると巧に前をいく37号車に躙り寄りオーバーテイクを試みる関口。24周目最終コーナーで37号車のインに飛び込み12位にポジションアップ。その後も37号車と一進一退の攻防を続けた。前走車がピットインして前が空くと、ここぞとばかりにプッシュしてペースアップ。オーバーカット戦略で引っ張り、39周を終えて暫定3位で中山と交代すべく、ピットに滑り込んだ。

 第2スティント/第3スティント:中山がダブルスティント敢行の奮闘の走りで8位フィニッシュ

 堅実な走りでペースを守って走行する中山は、燃料が軽くなるにつれてペースを上げていきポジションアップ。その後も安定したレース展開の中で、勝負所となる2回目のピットインのため74周を終えてピットイン。このままチームは給油時間も短いこともあって中山でダブルスティントを敢行。路気温も低くなってきて一段さらにペースアップした中山は、終盤に前の23号車を視界に捉えると猛チャージ。追いついて並びかける勢いある奮闘を見せてデュエルの勝負をしかけていったが惜しくもチェッカー。結果、23号車に0.259秒差の8位フィニッシュを果たし、貴重な開幕2戦連続でのポイント獲得となった。

 ドライバーポイントは3点を獲得しランキング10位(計6点)に、チームポイントは6点を獲得しランキング9位(計12点)となった。次戦第3戦は、6月3日(土)~4日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)にて開催される。

2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■関口 雄飛

「今回の富士ではたくさんのご声援をいただいて感謝申し上げます。クルマのフィーリングは走り出しからセットを詰めていって良くなってきていたので予選は想定外の結果でした。決勝では前が開けてからはペース上げられたので、次の鈴鹿は前からスタートできるようにし、決勝も450kmレースなので、今回の結果を良く調べてみて、チームといろいろとタイヤ選択や作戦を考えて表彰台に上がれるように準備していきたいと思います。引き続きご声援よろしくお願いいたします」

2023スーパーGT第2戦富士  関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第2戦富士  関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■中山 雄一

「予選での不調から決勝は少し改善して、順位を上げ8位で連続ポイント獲得をすることはできましたが、上位でゴールするためには課題が山積みです。次戦はサードにとってホームのサーキットでもありますし、昨年は表彰台に絡むレースができているので、しっかり準備してさらに強いレースをできるようにします。引き続き応援をよろしくお願い申し上げます」

2023スーパーGT第2戦富士  中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第2戦富士  中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■監督 脇阪 寿一

「初日の走り始めからクルマはよい方向に進んでいたので予選15位は想定外でした。原因が何か検証が必要ですが、ともあれ決勝は最後尾からポイントを獲得できるところまで挽回できたことは、チームとして力強くなっていることを開幕戦と同様に実感しています。450kmレースがこの後も続きますが、戦い方をより深く研究して次の鈴鹿は表彰台に上がれるように頑張ります。ピットパドックが以前のように賑わってスタンドも一杯で、テントもクルマも一杯でした。前よりも盛り上がって楽しく良い雰囲気が増してて嬉しかった。ご来場頂いた皆様やTVで応援して頂いた皆様、本当にありがとうございました。次も頑張れます!」

2023スーパーGT第2戦富士  脇坂寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第2戦富士  脇坂寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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