今回のANEST IWATA Racing RC F GT3はドライコンディションで行われた予選から好調で、Q1・A組を古谷が4番手で通過、Q2ではフラガが8番手に食い込んでいる。
今回はサクセスウエイト『0kg』がアドバンテージになった側面もあるが、それでもここまで4戦中3戦で予選Q2に進出、第3戦鈴鹿ではフラガがQ1・B組のトップタイムを記録するなど、チームとして初のパッケージながら存在感を示している。
さらにこの第4戦に向けては、車両セットアップの面でも着実な進化を遂げていた。第3戦からの2カ月のインターバルの間に、TCD(トヨタ・カスタマイジング&デベロップメント)のシミュレーターでテストをすることができたのだという。
「カスタマーサポートの一環ということになるかと思いますが、TCDさんのシミュレーターを使わせていただくことができ、そこで第3戦のセットアップのおさらいと、富士に向けたトライアルができました」と天澤天二郎エンジニアは予選後に語った。
「その結果を踏まえたセットアップを持ち込めたのは、大きかったと思います。序盤の3戦、レースウイークで時間も限られるなかではドライバーからのコンプレインに対してアジャストすることしかできませんでしたが、ガラっと変えるようなものをトライすることができたので」
なお、レギュラーを務めるフラガと古谷はともにフォーミュラを主戦場としてきたドライバーだが、今季のRCF GT3のセットアップの進め方について天澤エンジニアに聞くと「どちらかが主導するのではなく、ふたりそれぞれ“感度”に特徴があって、どこにフィーチャーするかが違ったりもするので、ふたりの意見を取り入れるとより良いクルマが作れます」という。
スーパーGT経験のない3人のドライバーを起用し戦うANEST IWATA Racing with Arnageは、着実に前に進んでいる様子だ。シーズン後半戦では、まずはドライバー選手権における初ポイントを手にしたいところだろう。
