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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.08.31 10:14
更新日: 2023.08.31 10:16

TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

2023スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』(8/26〜27)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
入場者数:予選1万2500名、決勝2万500名、合計3万3000名

 8月27日(日)、今シーズンの折り返しとなる第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』の決勝が行われ、12番グリッドからの逆襲を狙っていった関口は剛毅果断に攻め序盤10位浮上。15周を終えピットインし、素早いピットワークと関口のイン/アウトラップの走りと攻めの戦略でポジションアップを果たし、さらに猛チャージを続けていった関口は30周目には4位と大躍進。32周目にはランキング首位の3号車を仕留めて3位に浮上。強さと速さを持つ関口ならではの走りを遺憾なく発揮した。

 43周を終えピットインし中山と交代。そこから中山は残り34周をクレバーにマネージメントする得意の走りをみせる。レース後半にライバル勢が中山に迫ってくるが、相手の動きを読み最後はペースアップして追いすがるライバル勢を引き離して3位フィニッシュ。最終車両検査で上位1台が失格となり正式リザルトでは2位に繰り上がる結果となった。ドライバーポイントは15点を獲得しランキング10位(計23点)に、チームポイントは18点を獲得しランキング9位(計36点)となった。次戦第6戦は、9月16日(土)〜17日(日)にスポーツランドSUGOにて開催される。

■事前情報

 今シーズンの折り返しとなり、今季2度目の鈴鹿サーキットが舞台となる『SUZUKA GT 450km RACE』。ここ数戦、上位を狙える走りを見せるも不運な展開で思うような結果を残せていない厳しい前半戦となったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。8月26日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、27日(日)決勝は14時45分スタート。

 レース距離は6月の第3戦鈴鹿と同じく450km(77周:約3時間弱)で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。ひとりのドライバーの最大運転周回数は51周まで。サクセスウエイトは現獲得ポイントの倍となる16kgを搭載。重量増による鈴鹿でのタイムの落ち込みは、16kgだと約0.4秒弱となる。また、夏の鈴鹿恒例の花火も表彰式後に打ち上げられる。

 今回、26日(土)キッズウォーク後には4年ぶりのファンミーティングを鈴鹿サーキット内レストランSUZUKA-ZEで行い、大勢のファンの声援を受けて臨む後半戦の緒戦となり、チームの本拠地に近いため応援者も大挙して訪れる鈴鹿。残りのレース数を考えると、シリーズタイトル争いに加わるためには一歩も後に引けない状況となっているが、心強い後押しを受けての参戦。

 前戦富士で今季2基目のエンジンを投入済みであり、富士の走りからも優勝候補の一角にあげられているDENSO KOBELCO SARD GR Supra。天候や運も味方につけ、チームワークや素早い判断力と、その総合力によって昨年3位表彰台以上の結果も期待されるところ。非常にタフな戦いを強いられると予想されるが、脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって剛毅果断に攻めていき勝利を狙っていった。

■公式練習走行

 26日(土)9時20分から開始された公式練習走行は、8月終わりとは思えない蒸した厳しい暑さで気温33度/路面温度39度のコンディション。まず最初の85分間の混走セッションではミディアム系ドライタイヤを装着して中山がコースイン。5周目には1分48秒392とその時点でトップタイムをマークと幸先良い出だし。若干リヤが軽いということで車高などバランスを調整。12周目からは関口が同じでクルマのセットアップを進めていった。

 車高や前後バランスについて注意深く7周ほど調整。続いてロングランの確認を8周ほど行い、好ペースで走行。混走セッションはトータル26周を走行して、最初に中山がマークした1分48秒392のタイムで3番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは、気温33度/路面温度45度に上昇。関口はハード側ドライタイヤで予選のアタックシミュレーションを実施。アタックを始めた4周目1分48秒585と思うように混走セッション時のベストタイムを上回れず。5周目はアタックせずにピットイン。公式練習走行ではトータル31周を走行。中山の混走セッション5周目のタイムのまま3位となった。

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■公式予選
Q1:コンディションが合わず12番手タイムに

 26日(土)10分遅れの15時53分から開始されたQ1は、気温32度/路面温度51度の晴れ。陽射しが強く路面温度は高いままのなか、コースオープンしてから約2分ほど待機してピットを離れた関口は、ハード側タイヤを装着。公式練習走行では3番手と快調な走りを見せており期待が高まるなか、関口はタイヤのウォームアップを始めた。

 アタックは4周目として、じっくりと丁寧にタイヤに熱を入れていく。そのアタックを始めた5周目セクター1では自車ベストをコンマ3秒ほど削ってくるがライバル勢より若干劣る。続くデグナーコーナーのあるセクター2では気合いの走りでほぼ互角のタイム。続く難しいセクションとされるセクター3で39秒8とライバル勢からコンマ3秒ほど遅れてしまう。最終セクターではほぼ互角のタイム。先にフィニッシュラインを駆け抜けた関口は3番手を記録したが、後続のライバル勢が軒並み次々と上位タイムをマーク。1分47秒839と公式練習走行の自己ベストタイムを約0.6秒削ったが、選択したタイヤが最終的にコンディションに合わなかったのか、12番手でQ2進出を果たせずとなった。

 26日(土)キッズウォーク後には鈴鹿サーキット内レストランSUZUKA-ZEにてファンミーティングを開催。80名のファンに囲まれて、関口雄飛選手、中山雄一選手、脇阪寿一監督、加藤眞オーナー、近藤尚史チーム代表が出演。KOBELCO GIRLS、SARDイメージガール、WAKO’S GIRLSのレースクイーンが彩り、トークショーやクイズ『サード王は誰だ!』『お楽しみクジ』などでファンと一緒に誰もが笑顔いっぱいで楽しい一時過ごし、ファンから大きなチカラをもらった夏の鈴鹿の夜となった。

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 予選日にファンミーティングを実施したTGR TEAM SARD
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 予選日にファンミーティングを実施したTGR TEAM SARD

■決勝
ウォームアップ走行

 27日(日)13時15分から開始された20分間のウォームアップ走行は気温31度/路面温度49度の陽射しの強い残暑厳しい晴れのコンディションのなか、最初に中山が決勝バランスの確認を6周実施。続いて関口が同じタイヤでチェッカーまで走行。ウォームアップはトータル11周を走行して。8周目に関口のマークした1分53秒143の13番手で終えた。

■決勝レース
第1スティント/第2スティント:関口が剛毅果断に攻めて3位にまで大躍進

 27日(日)、14時45分決勝スタート時点は気温32度/路面温度50度の猛暑日。体感的には蒸し暑さもあってそれ以上の暑さを感じるコンディション。前日のファンミーティングでファンから大きなチカラをもらって熱い闘志を持って12番グリッドからの逆襲を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraを駆る関口は、剛毅果断に攻めて序盤10位に浮上。

 11周目には最初のFCY(フルコースイエロー)が導入され先頭の1台が得する状況となったが、冷静にコース状況や周りの様子を見ながら15周を終えピットインし、素早いピットワークと関口のインラップ、アウトラップの走りと攻めのアンダーカット戦略で、良いチームワークを見せポジションアップを果たし、さらに猛チャージを続けた関口は全車が1回目のピットインを終えた30周目には4位と大躍進。32周目にはランキング首位の3号車を仕留めて3位と表彰台圏内に浮上。強さと速さを持つ関口ならではの走りを遺憾なく発揮した。そして前をいく2位23号車が42周を終えピットインすると、その周に猛プッシュして次の周の43周目に2回目のピットインを行い、中山へステアリングを託した。

第3スティント:中山がクレバーに走りをマネージメント

 2回目も好タイミングのピットインとチームワークで上位との差を数秒削ると、そこから中山は残り34周をクレバーにマネージメントする得意の走りをみせた。49周目に2度目のFCYが導入され再開後に若干ペースが落ちてしまい、レース後半には17号車、ペースの速い38号車と14号車とさらに昨季チャンピオンの1号車とライバル勢が表彰台をかけて中山に大挙して襲いかかってくる。

 58周目にはその中から14号車が迫って、3度目のFCYを挟みながら14号車との一進一退の攻防戦となったが、クレバーに相手の動きを読みながら踏ん張りを見せて、最後はペースアップして追いすがる14号車とその後続のライバル勢を引き離す走りで中山に軍配。見事に順位を守り切り3位フィニッシュで、チームに1年ぶりの表彰台をもたらした。最終車両検査で上位1台が失格となり正式リザルトでは2位に繰り上がる結果となった。

 積み重ねてきた努力がようやく形になって表れて、チームの真髄となるチームワークとドライバーのストロングポイントが遺憾なく発揮され、ファンの熱い声援をチカラに諦めずに最後まで力の限りを尽くして戦ったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。ドライバーポイントは15点を獲得しランキング10位(計23点)に、チームポイントは18点を獲得しランキング9位(計36点)となった。次戦第6戦は、9月16日(土)〜17日(日)にスポーツランドSUGOにて開催される。

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

関口雄飛

「決勝はいろいろな戦略があるなかで、1回目のピットインはGT300クラスの集団もあったのでチームの好判断で割と早めに入りました。結果、このタイミングで持ってきたなかで柔らかめの方にタイヤを換えたことが良かったですね。柔らかめの方が速かった。QFのときもそうですが、硬めの方はあまりコンディションに合ってなかったですね。早めに入ってコースに戻ってからはクリアで周回できたし、まだピットに入っていないクルマの“裏側”でタイムを稼げたっていうのが大きいですね。最後のスティントを担当したチームメイトの中山選手も苦しいシチュエーションのなかしっかり後ろを抑えてくれたし頼もしかったです。今回表彰台に上がれたので、残り3戦はこのまま良い流れでタイトル争いに残れればと思います。引き続き応援よろしくお願い申し上げます」

中山雄一

「レース序盤の関口さんの力強い走りと監督の戦略がとてもうまく決まりました。レース終盤は後ろにクルマが迫ってきて、『これ、ヤバいかな』と思って結構ドキドキしてましたが、前日に話し合ったセットアップが、後半10周くらいで活きて来て、そこからは周りより速いペースで走れたので、最後は14号車も抑えることができて良かったです。そして土曜の夜にファンミーティングをしたのですが、レース後にクルマをパルクフェルメに停めたら、そのファンの皆さんが大勢待ってくれていて、すごくうれしかったです。皆さんと盛り上がりました。次戦も強い走りができるような強いイメージが沸いています。引き続きご声援よろしくお願い申し上げます」

監督 脇阪寿一

「優勝するつもりで鈴鹿に入りましたのでひとつだけ足りなかったですが、予選12位からエンジニア陣は素晴らしいクルマを決勝に用意してくれましたし、メカニックも素晴らしいピット作業をしてくれ、関口雄飛は強いオーバーテイクを魅せ、中山雄一はヤマケンのチャージも強い気持ちでしのぎきり、何より、強いクルマを造る上で非常に大切な部分を見出せたことに満足しています。これからの終盤戦に向けてその礎を築けた、富士戦、そして今回の鈴鹿戦となりました。後半戦は関口雄飛と中山雄一が生き生き走って貰える何かが見つかりました。なかなか結果以外のかたちで表すのは難しい部分はありますが、チームの成長、関口雄飛の強いバトル、そして中山雄一の成長をビジュアルで示せた鈴鹿のレースになったと思います。応援頂きました、すべての皆様ありがとうございました。後半戦から巻き返してタイトル狙います」

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)


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