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2017.02.11

【2017年F1ルーキー特集】ランス・ストロールを“ペイドライバー”と侮ってはならない


F1 | 【2017年F1ルーキー特集】ランス・ストロールを“ペイドライバー”と侮ってはならない

 ウイリアムズF1チームは、2017年のレースドライバーに、ルーキー、ランス・ストロールを抜擢した。大きな後ろ盾を持つ若者は、楽をしてF1への切符を手にしたのだろうか? それとも純粋な才能の持ち主が、多大なる資産を生かし切っただけなのか? ストロールを“ペイドライバー”と考えているなら、その先入観は、捨て去るべきかもしれない。

■金持ちの道楽息子では断じてない

 ストロールがF1ドライバーとなったことを歓迎しない者もいる。トミー・ヒルフィガーの大株主である彼の父ローレンス・ストロールが、とてつもない大金でシートを手に入れたとささやかれているからだ。しかし、たとえ父親がジュニアカテゴリーに気前よく大金を注ぎ込んでいたとしても、ドライバー自身が結果を出さなければならない。ストロールは、それをやり遂げた。

 これは重要なことだが、彼は資金をあまり持たない同期からF1のシートを奪った道楽息子ではない。ヨーロピアンF3選手権で才能あふれるライバルたちを出し抜いて、タイトルを獲得したのだ。彼は賢くて好感の持てる、勤勉なレースドライバーである。プレマ・パワーチームのドライバーコーチを務めるヌーノ・ピントは、2013年10月に行われたフォーミュラ・ルノー2.0にストロールが初参加した時以来の付き合いがある。

ランス・ストロールと父親ローレンス
ランス・ストロールと父親ローレンス

■ジュニア時代のコーチが語る、ストロールの真の姿

「ランスについては非常に感銘を受けた点が、3つ、4つある。まず、彼があまりに賢いので、16か17歳であることを私はすぐに忘れてしまっていた。その聡明さのせいで、まるで同い年の相手のように話をしてしまうんだ」と40歳手前のピントは言う。

「一方で、とても勤勉なところも気に入っている。彼のように普通とは異なる出自を持つ若者は、この競技に真剣に取り組まない傾向があることを我々は皆、知っている」

「印象に残っているのは2年前(ストロールが2014年にイタリアF4でチャンピオンを獲得した年)、まだF1にデビューするに当たっての最低年齢が設定されていなかった時のことだ。当時はスーパーライセンス獲得に必要なポイントなどもなかった。しかし彼は『何があろうともF1に行くんだ』という姿勢を、一度も見せなかった」

「彼は最初から『いい走りがしたい、進歩したい、勝ちたい。他の誰かに自分の良さを証明するためではなく、自分自身に対して、自分が十分に速いことを証明するために』という姿勢でいたんだ。『F4で勝ちたいけれど、それよりもF3で勝ちたい』と私に常に語っていた。スーパーライセンス獲得のためのポイントは必要なく、『F1のシートなら買える』と考えることもできたはずなのだから、本当に驚かされた」

「だが彼はそんな形でF1に行きたいと考えたことはなかった。彼はまず自分自身とチームに対して、私たちが擁する他のドライバーと同じだけの良さがあることを、証明したがっていた。だからこそ彼は、他の誰よりも懸命に努力した」

「また、彼の頭がF1に行くことでいっぱいになっていなかったことも、印象的であり好ましかった。もしかしたら私たちの方が、その考えにとらわれていたかもしれないね! 自身の能力を証明するために、行きたがってはいたものの、他のレースやモータースポーツの他の側面も楽しんでいた」

「彼はデイトナ24時間(2016年のレースでチップ・ガナッシ・レーシングから参戦)も楽しみ、素晴らしいレースだと話していた。やりがいのある場を好み、『いつかル・マン24時間にも出たいし、危険すぎないのであればインディ500にも参戦したい』とも語った。新世代のドライバーの多くはF1にしか目を向けないので、彼のそういう部分は好ましいと思う」


この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています

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