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特集

投稿日: 2018.03.30 19:40
更新日: 2018.03.30 19:42

Modulo DRAGO CORSEがGT300クラスを盛り上げる! 話題の新規参戦チームをピックアップ


スーパーGT | Modulo DRAGO CORSEがGT300クラスを盛り上げる! 話題の新規参戦チームをピックアップ

■いよいよ開幕へ! オフのテストを振り返る

雪の残る富士でのシェイクダウン

ピットレーンが凍結していたため、パドックで作業が行われた

 こうしてスーパーGTに参戦することになったModulo DRAGO CORSEだが、1月12日に参戦を発表した後、イタリアからホンダNSX GT3が到着。ガレージで一度念入りなチェックを受けた後、1月31日、富士スピードウェイでシェイクダウンテストが行われた。

 走行前日に雪が降ってしまい路面が凍結していたこともあり、パドックからコースインするなかなか見ない光景のなか、道上の手によってシェイクダウンされたModulo KENWOOD NSX GT3だが、チェックをメインに道上、大津弘樹と交代しながら走行。「まずは大きなトラブルなく、順調に走行をこなすことができた」と無事にシェイクダウンを終えた。

Modulo Drago CORSEの道上龍と大津弘樹、チョン・ヨンフン監督

 2月3日には、東京・青山のホンダウエルカムプラザでファン向けのトークショーに臨んだチームは、2月15日には体制とカラーリングを報道陣向けにお披露目。22〜23日には、岡山国際サーキットに乗り込み、メーカーテストに参加。NSX GT3を開発したイタリアのJASモータースポーツのスタッフも駆けつけ走行した。

 このテストではGT500マシンも参加していたため、GT300初参戦の道上にとっても、大津にとっても“抜かさせながら”走るテストは初体験となった。セットアップを進めながら臨んだテストでは「今回が本格的なテスト開始ですが、トラブルなく走行できて満足しています。装着するヨコハマタイヤの選択を探ったりしていきました。うしろからGT500が来るのについては、台数がそれほど多くなかったですが、まだどう接近してくるかの感覚がまだつかみ切れていない」と道上。

Modulo KENWOOD NSX GT3

 また、大津も多くの時間を走行し、NSX GT3への順応を進めた。「GT500についてはよくミラーを見ていたんですが、すごい勢いで接近してくるので、スピード感が難しいですね。レース中、自分が戦っているなかでうまく譲らないと、自分が損してしまう。勉強中です」と初めて違うスピードのマシンが来るレースでの驚きを口にしている。

「最初は道上さんとは走らせ方も違いましたが、GTカーを走らせるのに自分の好みの走らせ方だと動きが大きくなってしまう。初めての本格的なテストで、キャラクターを理解しはじめました」

本格的にライバルたちとのテストへ。ノントラブルでテスト進める

 開幕に向けてGT300のライバルたちも続々とテストをこなしていくなか、3月8〜9日には鈴鹿サーキットで行われたメーカーテストに参加したModulo DRAGO CORSE。今度はGT300マシンも多数が参戦しており、直接実力が試される機会となったが、ここでもじっくりとNSX GT3を煮詰めていったチームは、しっかりとテストをこなしていった。

「だいぶ動きや、GT500との距離感も慣れて来ました。ニュータイヤも履きましたし、スーパーGTへの順応も進められたと思います。今回走り慣れている鈴鹿だったからこそ、GTカーの動きをより感じましたね」と大津。

 また、道上も「岡山と違って鈴鹿はグリップも高いですし、クルマも違う動きを示していましたね。昔も乗っていましたが、ミッドシップのGT3カーの難しさも感じました。まだライバルとのタイム差もありましたが、タイヤとのマッチングを進めていった感じです」と語っている。

 鈴鹿テストを終えたチームは、全日本F3選手権のテストもこなし、NSX GT3を岡山国際サーキットへ搬送。3月17〜18日に開催されたスーパーGT公式テストに参加した。いよいよ開幕戦の舞台で、ライバルたちすべてが揃う舞台でのテスト。Modulo DRAGO CORSEは、道上と大津が着用するレーシングスーツも届き、いよいよ“本番モード”にギアを上げ、テストに臨んだ。

道上龍と大津弘樹がルーキーテストを受けたModulo KENWOOD NSX GT3

ルーキーテストもセットアップも無事終了

 そしてこのテストでは、Modulo DRAGO CORSEにとって重要なミッションが待っていた。GT300に初めて、もしくは2シーズン以上レースに参加していないドライバーに課せられる『ルーキーテスト』だ。大津はもちろん、過去のチャンピオンとは言え、道上にもテストが課せられた。

 スピンやコースアウトすることなく、12周以上を安定してこなさなければならないテストだが、事前に「ホンマ大丈夫かな(笑)」と道上も若干緊張の面持ちだったが、走行中に無線が入り、ふたりともテストを無事クリアし、ホッとした表情を浮かべた。

「ロングランの流れでちゃんとこなせました」と道上。また、大津もしっかりこなし「ルーキーテスト中もタイムはしっかり落とせず走れました」と語っている。

 その翌週、富士スピードウェイで行われた公式テストもノートラブル&ノーアクシデントでこなし、オフのテストを無事終えたModulo DRAGO CORSE。富士では性能調整も合っていたようで上位タイムも記録しており、期待が高まっている。

「これまでオフのテストをこなし、コース上も慣れて来ましたし、クルマもかなり合わせ込んできたと思います。一発のタイムは出ていますが、あとはレースでしっかりと安定して走れるクルマを作ることに課題はあります」と大津。

「シェイクダウンのときから、かなり進歩しました。いいタイヤを履けばタイムも出るようにはなりましたが、富士ではトップ10は狙えると思いますね」と道上はこれまでのテストを振り返る。

「これまでのテストで大きな収穫もあり、ベースセットも決められたと思います。ひさびさのスーパーGTですが、楽しんでやりたいと思います」

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