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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.12.30 12:30
更新日: 2019.12.30 12:41

激闘続いた全日本ロードに赤旗で混乱した鈴鹿8耐……。歴史に残る2019年二輪レース5選

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MotoGP | 激闘続いた全日本ロードに赤旗で混乱した鈴鹿8耐……。歴史に残る2019年二輪レース5選

■スーパーバイク世界選手権(SBK) 第8戦イギリス レース1

 2019年シーズンのSBKは目下シリーズ4連覇中でカワサキZX-10RR駆るジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)に新投入されたドゥカティ パニガーレV4 Rを操るMotoGP経験者でSBK“ルーキー”のアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)がどこまで迫れるか、どちらがチャンピオンを獲得するかに注目が集まっていた。

 そして第1戦オーストラリアから圧倒的なスピードをみせ優勝したのがバウティスタ。そこから第4戦オランダのレース2まで11連勝を飾ったが、レイも負けじと開幕から10レース連続で2位を獲得して、激しい火花を散らした。

 第6戦ヘレスのレース2では、バウティスタが決勝で今季初の転倒でノーポイントに。ここからSBK絶対王者レイの反撃が始まったが、その流れを決定づけたのはウエットコンディションで行われた第8戦イギリスのレース1だろう。

 第8戦イギリスのレース1はレイが優勝、バウティスタがリタイアとシーズン序盤には想像されなかったような結果に。またランキングトップが入れ替わったのも、このレースだった。

2019SBK第8戦イギリス レース1 ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)
2019SBK第8戦イギリス レース1 ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)

 レイはレース1後に「本当に長いレースのように感じた! まだ長い道のりが待っているがヘレスのスーパーポール・レース後は61ポイントの差があった。今はそれをひっくり返した。これがレースであり何でも起こり得る」とコメントした。

 2019年のSBK後半戦はMotoGPが開催されていないサーキットでの戦いが続いたこともあり、バウティスタはパフォーマンスを発揮できず、以後はポイント差を縮めることができなかった。

 結局、最終戦終了時点でレイが663ポイント、バウティスタが498ポイントと、両者には165ポイント差がつき、レイがSBK5連覇を達成してみせた。

■ロードレース世界選手権 MotoGP 第12戦イギリスGP

 2019年のMotoGPは、オーストリアGPやタイGPなどファイナルラップの最終コーナーまでトップ争いが続くレースが多数見られたが、なかでもシルバーストン・サーキットで行われた第12戦イギリスGPは特筆すべきものだった。

 ポールスタートで首位を維持するマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)にアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が仕掛けたのは9周目。すぐにマルケスがトップを奪い返すも、2番手リンスが首位マルケスの後方に貼り付くような形でレースは進行していく。

 残り4周でリンスが挙動を乱したため、その差は広がったがふたたび後方に貼り付く。残り2周の場面ではリンスが再度オーバーテイクに成功するも、マルケスが即座に反撃する。この周の最終コーナー立ち上がりで、リンスはアウト側からマルケスに並びかけたが、1コーナーではマルケスがトップを守った。

2019MotoGP 第12戦イギリスGP 最終ラップ最終コーナーまで争うリンスとマルケス
2019MotoGP 第12戦イギリスGP 最終ラップ最終コーナーまで争うリンスとマルケス

 一進一退の攻防に決着がついたのはファイナルラップの最終コーナー。リンスは前周とは走行ラインを変え、コーナー立ち上がりでイン側にマシンを振ってオーバーテイク。0.013秒差で1位フィニッシュを決めた。

「とにかく全力でトライしたからこの優勝は大きな自信になった」とリンス。最後のバトルは「このチャンスを逃すな! 行くしかない!」と自分に言い聞かせタイミングを狙っていたという。

2019MotoGP 第12戦イギリスGP アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)
2019MotoGP 第12戦イギリスGP アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)

■世界耐久選手権(EWC) 鈴鹿8時間耐久ロードレース

 ヤマハ、ホンダ、カワサキと3メーカーがSBKや全日本ロードのトップライダーを擁し超強力な体制で挑んだ2019年の鈴鹿8耐。2015年からヤマハは4連覇を飾っていたが、2019年はホンダ、カワサキも優勝候補に挙げられ、三つどもえのバトルが予想されるなか決勝が幕を開けた。

 レースは8時間の耐久戦だが、スタートから5時間が経過してもKawasaki Racing Team Suzuka 8HとYAMAHA FACTORY RACING TEAM、Red Bull Hondaの3ワークスチームが1枚の写真に収まるほどの激戦に。この3チームがトップを入れ替えながらレースは進んでいった。

カワサキ、ホンダ、ヤマハが1秒差で2019鈴鹿8耐の5時間が経過
カワサキ、ホンダ、ヤマハが1秒差で2019鈴鹿8耐の5時間が経過

 このなかで一歩抜きん出たのがカワサキ。トップを走っていたジョナサン・レイは2分6秒805の予選と同等のタイムを叩き出しながら周回し、後続を引き離しにかかる。しかし、チェッカーまで残り2分を切った19時28分ごろにレイが転倒してしまい、赤旗が導入されると、そのままレースは終了。その結果、2番手を走行していたYAMAHA FACTORY RACING TEAMが暫定優勝を掴んだ。

 レース終了から20分後には暫定結果に基づき暫定表彰式が行われたが、その後に予定されていた決勝トップ3会見のスタートは行われず。そして20時35分にはKawasaki Racing Team Suzuka 8Hは暫定結果に対する抗議が提出された。

 そして赤旗の運用規則が精査された末、21時35分に赤旗提示の1周前(216周)の順位を採用した暫定結果が発表。その時点でトップだったカワサキが暫定優勝に切り替わった。

 その後、カワサキのライダーたちが鈴鹿サーキットの会見場に登場し、FIMレースディレクションから優勝を告げられたのが21時45分ごろ。レースフィニッシュからは2時間以上が経過していた。

 鈴鹿8耐ではレース後車検が翌日まで行われることもあり、正式結果が発表されたのは翌日の16時17分。ここでカワサキの26年ぶりとなる鈴鹿8耐優勝が確定した。


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