前後ソフトを選んだアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)は序盤からトップ集団に加わっていたものの、終盤に遅れ4位でゴール。前後ミディアムを選択したヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)は序盤は14番手付近を走行していたが、その後、ポジションを挽回、路面が乾き始めたレース終盤にはファステストラップを次々に更新して追い上げ5位に入賞した。なお、レース中にはファステストラップが通算24回更新されており、特に終盤にはザルコが4周連続でファステストを更新するなど、路面コンディションが終盤に急速に改善して行ったことを示している。

 ポルと同じタイヤを選んだミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)が6位に入賞し、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はフロントに5周走ったユーズドのミディアム、リヤにソフトのニュータイヤを選択。中上は「いいペースがあったが、特にレース終盤は路面が乾いてきて苦戦した。速さはあり、トップグループにかなり近づくことができたが、残り3周で、リヤタイヤがオーバーヒートして、メインストレートではかなりスピンした。そのためポジションをキープするのが大変だった」とレースを振り返る。

 チャンピオンシップリーダーで、このレースをポールポジションからスタートしたクアルタラロは、フロント、リヤ共にソフトのニュータイヤを装着。MotoGPクラスでは初のウェットレースに苦戦している様子だった。10位のマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、クアルタラロと同じタイヤ選択。11位のジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)は前後ミディアムを選択。ビニャーレスとミルに関しては、スタート直後の3コーナーでのバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)の転倒を避けてコース外に飛び出し、ポジションを下げ、追い上げを強いられたこともレースを難しくした。

2020年MotoGP第10戦フランスGP ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)
2020年MotoGP第10戦フランスGP ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)

 また、ミルのチームメイト、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)も同じタイヤ選択で、序盤からトップ集団の背後につけ、終盤には表彰台圏内に進出したが、20周目に転倒、再スタートしたものの、チェッカーを受けずピットに戻ったため、完走扱いとはならなかった。

 この結果チャンピオン争いでは、クアルタラロがランキングトップをキープ。ランキング2位のミルとのポイント差は10ポイントとわずかに拡大。4位に入賞したドヴィツィオーゾがミルと8ポイント差のランキング3位に浮上。ビニャーレスはランキング4位に後退したが、ドヴィツィオーゾとの差は1ポイント。チャンピオンシップ争いでもだれも抜け出すことができなかった。

 フランスGPは、最終的に雨に翻弄され、タイヤ選択が結果を左右する一戦となったと言えるだろう。

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