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投稿日: 2019.12.02 17:00
更新日: 2019.12.02 19:09

【ブログ】大事なのは1回目から何を得て、2回目以降に活かすか。スーパーGT×DTM特別交流戦私的レビュー

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Blog | 【ブログ】大事なのは1回目から何を得て、2回目以降に活かすか。スーパーGT×DTM特別交流戦私的レビュー

■異なるカテゴリーがともに歩んだ歴史的レース

 さまざまな声、そして課題も見つかったスーパーGT×DTM特別交流戦。DTM第9戦ホッケンハイムのように、日本側が“ゲスト参戦”するのであれば、DTM側に合わせる日本側の苦労だけで済んだが、今回はふたつのシリーズがともにレースを作り上げる必要があったため、両シリーズの関係者、サーキットともに多くの苦労があった。

 とはいえ、主催者の苦労、エントラントの苦労を乗り越え展開されたレースは、「観られなかった人はもったいない」というレベルで満足度が高いものだった。これは多くの読者諸兄にも異論はないだろう。あのスピードをもつ5種類ものマシンが争い、日欧屈指のドライバーたちがその実力をいかんなく発揮してくれたのだから。

 そして、このレースの歴史的な意義は本当に大きい。「歴史に残る、新しい扉が開いた」と語ったのは、GTアソシエイションの坂東正明代表。

「この交流戦に向けて、ITRと富士スピードウェイの協力で実現できた。日独の関係者の努力、今までやってきたものが積み重なり、やっとここに実現することができた。世界のモータースポーツの新たな歴史が動くのが今回のレース。ファンの皆さんにもその気持ちを伝えたい」

「こうしてまったく別のシリーズが、一緒の規則を作って一緒に走ることは、今までの歴史でも例がない。我々の夢でもあったし、ここから始まる、ここから歩むさまざまなもので、日本のモータースポーツ界を変えられると思う」

 また、同様にこのレースに向けて尽力してきたDTMの主催者、ITR e.Vのゲルハルト・ベルガー代表は「この日は歴史に残るし、DTMとスーパーGTの将来がすごく楽しみになった」と述べた。

「何年も前からクラス1というレギュレーションについて話し合い、その一歩が今週末となったが、今までやってきて良かったし、今後大きな将来が待っていると思う。今後も話し合って、よりお互いに素晴らしい将来を作っていきたいし、坂東さんもそう思っているだろう」

WedsSport ADVAN LC500のピット作業を見るBMWのスタッフたち
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富士スピードウェイのストレートに並んだ7台のDTMマシンと15台のGT500マシン
富士スピードウェイのストレートに並んだ7台のDTMマシンと15台のGT500マシン

■『2回目』を行うことこそ重要

 レースは面白く、ファンも満足した。ドライバーたちもレースをエンジョイした。そして2020年、いよいよスーパーGTではGT500クラスに『クラス1+α』の新規定マシンが導入される。『+α』の部分を変更すれば、DTMとの完全イコールの規定になるため、2020年以降こそ誰も文句を言えない、ガチンコのレースが実現するはずだ。ちなみに今季は『特別交流戦』だったが、性能に差があったからの『特別』。次回は『交流戦』になるだろう。

 しかし、坂東代表は現段階で「来季については、ホッケンハイムと今回の富士のコストの面を確認した上で、ドイツでやるのか、日本でやるのか、第三国でやるのかを考えたい。日程や時期は、お互いのレースのスケジュールやロジスティクスの問題も考えなければならない」としている。

 当然ながら、カレンダーについてはお互いのシリーズ戦がしっかりと確定し、ファンとエントラントにとって納得できる形にすることが最優先だ。さらに、ロジスティクスの問題では、今回DTM勢は7台の参戦だったが、かなりの費用がかかっているという。当然どこでやるにしても、輸送費とチームの移動費、開催費用など、考えなければならない点は山積みだ。

 ただ、「まずは一緒にやれることをみせたい」という両シリーズの思惑は、世界にたしかな一石を投じたと信じたい。これほどのエキサイティングなレースを、自国で開催したいという第三国はあるだろうし、スポンサー集めの面でもプラスに働くと思いたい。日本のファンにとっては国内で観たいところもあるだろうが、ドイツだろうがどこだろうが、1年に一回なのか2年に一回なのかは分からないが、来季以降もこのワクワクするようなレースがまた観られることを願ってやまない。

AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦
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