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クルマ ニュース

投稿日: 2021.04.19 17:54
更新日: 2021.04.19 18:29

アウディ、次世代電気自動車『A6 e-tronコンセプト』発表。高い性能と長い航続距離を実現

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クルマ | アウディ、次世代電気自動車『A6 e-tronコンセプト』発表。高い性能と長い航続距離を実現

見るため、そして見られるための照明 – アウディA6 e-tronコンセプトのライティングテクノロジー

 フラットなヘッドライトとテールライトは、スリムなデザインを特徴とし、ボディの同じ高さに設置されています。デジタルマトリクスLEDとデジタルOLEDテクノロジーにより、少ない表面積でも最大の明るさと幅広い機能を実現しています。

 また、ライトシグネチャーをカスタマイズすることも可能になりました。アウディの照明デザイナーと開発者のチームは、再び素晴らしい仕事を成し遂げました。このコンセプトカーのライティングユニットには、数多くの新しい機能とパーソナライズオプションが組み込まれています。

 ボディの側面には、小型で高解像度の3台のLEDプロジェクターが装着され、ドアを開くと、地面が光のステージに変化します。ここでは、ダイナミックな光の効果が地面に投影され、乗員に母国語で挨拶します。上海モーターショーのワールドプレミアでは、この挨拶はもちろん中国語で行われます。

 安全機能と美的デザインを組み合わせることは、アウディにとって常に重要な要素となっています。そのため、小型の高解像度プロジェクターは、地面に警告マークも投影します。たとえば、ドアを開こうとしている場合は、後方から近づいてくるモーターサイクルのライダーに警告マークを表示します。

 さらに、車両の隅にも、別の4つの高解像度LEDプロジェクターが目立たないように組み込まれ、ターンシグナルを地面に投影します。これらのプロジェクション機能は、必要に応じて、さまざまな市場や認証条件に対応するように変更することが可能です。

 デジタルマトリクスLEDフロントヘッドライトは、動画を投影する機能も備えています。たとえば、アウディA6 e-tronコンセプトを、目の前が壁になっている駐車スペースに止めて充電する場合、ドライバーと乗員は、壁に投影されたビデオゲームを楽しむことができます。それぞれのゲームの仮想風景は、インストルメントパネルの小さなディスプレイではなく、XXL形式で壁に投影されます。

 これらの機能は、デジタルマトリクスLEDフロントヘッドライトを介して表示されます。プレーヤーは、車両の横または真正面に立つことで、幅数メートルのゲームを楽しむことが可能です。このゲームでは、コントローラーとしてスマートフォンを使用します。そして、ゲーム自体もアウディ製です。アウディのデザイナーは、アウディA6 e-tronコンセプトのために、専用のゲームを考案し開発しました。

 このコンセプトカーのリヤエンドには、連続したライトストリップとして、新世代のデジタルOLEDエレメントが採用され、ディスプレイのように機能します。また、デジタルライトシグネチャーやダイナミックライティングディスプレイを、オーナーの個人的な好みに合わせてほぼ無制限にカスタマイズすることも可能です。

 テールライトの新機能のひとつは、ボディ形状に合わせたデジタルOLEDエレメントの3次元アーキテクチャーで、夜間にはボディ全体のイメージが浮かび上がるようなライティングデザインが可能になっています。これにより、以前のようにダイナミックな2次元の光のショーを演出できるだけでなく、印象的な3D空間効果を体験することができます。

 当然のことながら、テールライトとヘッドライトは、その本来の役割を完璧に果たします。たとえば、ヘッドライトは、開発者の要件を完全に満たし、さまざまな交通状況、天候、環境にインテリジェントに適合して路面を明るく照らし出し、他の道路ユーザーとコミュニケーションを取ることもできます。超高輝度、均質、高コントラストのデジタルOLEDコンビネーションテールライトは、未来の道路における安全性を特に大幅に向上させることができます。

 さらに、車両の周囲に映像を投影することにより、従来の枠組みを超えたコミュニケーションが可能になっています。アウディA6 e-tronコンセプトは、インテリジェントなコネクティビティ機能により、他の道路ユーザーに視覚的なシグナルを表示して、情報を提供します。

アウディA6 e-tronコンセプト
アウディA6 e-tronコンセプト

SUVと乗用車の両方に採用可能

 PPEは、電気自動車専用に設計されているため、このテクノロジーのメリットを最大限に活用することができます。アウディA6 e-tronコンセプトおよび将来登場するPPEをベースにした車両の重要な特徴は、前後アクスル間に搭載された容量約100kWhのバッテリー容量です。

 車両ベース全体を有効に活用することで、比較的フラットなバッテリーレイアウトを実現できます。これは、この単一のプラットフォームを、基本的な構成を変えることなく、背の高いSUVモデルだけでなく、アウディA6 e-tronコンセプトをはじめとする乗用車にも使用できることを意味しています。

 PPE車両のバッテリーサイズとホイールベースは柔軟に変更することができるため、さまざまなセグメントの車両に採用することができます。長いホイールベースと非常に短いオーバーハングの比率は、すべての車両に共通する要素ですが、大径ホイールと組み合わせることによって、デザイン面だけでなく、基本的なプロポーションの面でも、ダイナミックなスタイルを創出することが可能です。

 PPEモデルの長いホイールベースにより、乗員コンパートメントには、広々としたスペースが生み出されます。これは、あらゆるセグメントにおいて大きなメリットとなります。さらに、技術面から見ると、電気自動車はトランスミッショントンネルを必要としないため、一般的に内燃エンジン搭載車よりも広いスペースが生み出されます。

 トランスミッショントンネルがなくても、アウディのオーナーは、ブランドのトレードマークであるクワトロドライブシステムを選択することが可能です。未来のPPEモデルには、フロントおよびリヤアクスルにそれぞれ1基の電気モーターを搭載したバージョンが用意され、電気モーターを制御することによって、ドライビングダイナミクスとエネルギー効率の完璧なバランスを取りながら、オンデマンドの4輪駆動システムを実現します。さらに、e-tronファミリーには、エネルギー消費量と航続距離を最適化したベースバージョンも用意されます。この場合、1基の電気モーターがリヤアクスルに搭載されます。

 アウディA6 e-tronコンセプトには、350kWの合計出力と、800Nmの最大トルクを発生する、2基の電気モーターが搭載されています。

 サスペンションは、フロントには電気自動車用に最適化された5リンク式サスペンションが、リヤにはマルチリンクタイプのサスペンションが採用されています。さらに、このコンセプトカーは、アダプティブダンパーを備えた、アウディエアサスペンションも装備しています。

急速充電、長い航続距離

 アウディA6 e-tronコンセプト(および将来登場するPPEモデル)の技術的なハイライトは、800ボルトの充電テクノロジーです。これにより、アウディA6 e-tronコンセプトのバッテリーは、Audi e-tron GT(アウディe-tron GT)と同様に、急速充電ステーションを利用すれば、最大270kWの出力で、非常に短時間で充電することができます。アウディは、PPEとともに、この革新的なテクノロジーを、ミッドレンジおよびラグジュアリーセグメントの量産車に初めて導入します。

 それにより、従来の内燃エンジン搭載車に燃料を補給するのと同じくらいの時間で、バッテリーを充電することが可能になります。300km以上を走行可能なレベルまでバッテリーを充電するのに必要な時間は、わずか10分間です。また、25分以内で、バッテリー容量を5%から80%まで充電することができます。

 選択したドライブシステムと出力にもよりますが、アウディA6 e-tronコンセプトは、700kmを超える航続距離を実現し、一切の妥協なしに、一台目のクルマとして使用することができます。アウディA6 e-tronコンセプトの航続距離と充電時間は、内燃エンジン搭載車に近づいており、近距離の走行から休暇を利用したロングドライブに至るまで、あらゆる用途に最適なユニバーサルカーに仕上がっています。

 アウディA6 e-tronコンセプトは、ダイナミックな走行特性の面で、他の電気自動車と同様に、燃焼エンジン搭載車を凌駕しています。電気モーターは、走り出した瞬間から力強いトルクを発生することが可能なため、高い効率を追及したエントリーモデルでさえ、0~100km/hを7秒未満で加速することが可能です。また、最上位のハイパフォーマンスモデルでは、わずか4秒未満で100km/hに到達します。

アウディA6 e-tronコンセプト
アウディA6 e-tronコンセプト

PPE – 多用途、優れた柔軟性、エレクトリック

 アウディ初の電気自動車、アウディe-tronは、2018年にデビューしました。それ以来、わずか3年足らずで、アウディは、体系的かつ迅速に、製品ラインナップ全体に電動化モデルを導入してきました。アウディe-tron SUVおよびアウディe-tronスポーツバックに続き、ポルシェAGと共同開発した新しい技術プラットフォームをベースにした非常にダイナミックな電気自動車、アウディe-tron GTが2021年2月にデビューしました。

 そして、そのわずか2ヵ月後、アウディQ4 e-tronおよびアウディQ4 e-tronスポーツバックが発表されました。コンパクトセグメントに導入されるこの非常にユニークな電動SUVモデルは、共通の技術プラットフォーム(フォルクスワーゲングループのMEB)をベースにしています。同じく電気自動車のアウディQ2 L e-tronは、2019年から中国市場専用車として販売されています。

 アウディA6 e-tronコンセプトは、それとは別の革新的な技術プラットフォームであるプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)をベースにしたモデルで、最初は大型セグメントに、後にミッドサイズセグメントとフルサイズセグメントに導入される車両ファミリーの最初のメンバーです。このモジュラーシステムは、アウディのリーダーシップの下で、ポルシェAGと共同開発されています。PPEプラットフォームをベースにしたアウディの量産車は、2022年の後半から順次発売される予定です。

 PPE車両は、グローバルに提供されるように設計されており、すべてのブランドの主要な市場で展開されます。アウディは、ヨーロッパの製造拠点と同社最大の単一市場である中国の両方で、これらの車両を生産する予定です。この目的のため、長春に新しい工場が建設されており、2025年までには、PPEテクノロジーを搭載したアウディの電気自動車が生産される予定です。この工場は、アウディとその合弁パートナーであるVAW-Volkswagen(一汽大衆)が共同で運営しています。

 PPEは、これまでに例のない幅広いモデルに対応できるように設計された最初のプラットフォームです。これには、背の高いSUVやCUVだけでなく、アウディA6シリーズといった車高の低いアウディの主力製品も含まれています。さらに、PPEの範囲は、ミッドサイズセグメントにも拡大される予定です。ミッドサイズセグメントは、何十年にもわたってアウディにとって最も販売台数の多い市場セグメントとなっています。また、PPEは、最上位のフルサイズセグメントの車両の開発でも、優れた技術プラットフォームとして利用することが可能です。

 PPEにより、SUVモデルよりも乗用車を好むお客様に対して、魅力的な電気自動車を提供できるようになります。その好例が、アウディブランドを象徴するスポーツバックであり、アウディA6 e-tronコンセプトはその最先端のモデルです。

 その結果、アウディは、量産セグメントのミッドサイズおよび大型セグメントに車両を投入することで、電気自動車のラインナップを効果的に拡大することができます。さらに、スケールメリットを活用することで、ラグジュアリークラスのテクノロジーと幅広いモデルバリエーションを、プレミアム市場では他に類を見ない幅広いモデルラインナップに展開することが可能になります。

 これは、車両フリートの燃料消費量とCO2排出量の削減にもメリットをもたらします。PPEは、量産モデルと多種多様なモデルを介して、eモビリティへの急速な移行を推進し、アウディのサクセスストーリーに新たな章を追加します。

アウディA6 e-tronコンセプト
アウディA6 e-tronコンセプト


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