新型ヴェゼルは、ガソリン車を1グレード、ハイブリッド車を3グレード、合計4グレードを用意する。ハイブリッド車は、ベーシックな“X”と充実した装備の“Z”、内装が印象的な“PLaY”(FF車)の3つ。ホンダセンシングなどの安全装備は全グレードに装着される。
グレードの違いは、内装仕様に加えて、後方警戒のブラインドスポットインフォメーションやパワーシート類、サンルーフ、オーディオ仕様などの利便装備の有無で差別化されている。
グレード選びの際に重視して欲しいのは、新型ヴェゼルに何を求めるかという点だ。実用性を求める向きには、ひと通りの装備が揃う“X”で十分。ホンダセンシングの標準化や、広々した室内空間、SUVとしての使い勝手の良さは、先代ヴェゼルを高く評価していたオーナーもしっくりくるだろう。
セカンドベストは“Z”。“X”に比べて約25万円高くなるが、本革ステアリングや内装意匠の変更に加えて、安全性がより高まるブラインドスポットインフォメーションやラゲッジルームに荷物を積む際に便利なパワーテールゲートなどが装備される。また、エアコン機能やUSB充電機能も強化される。
最上級の“PLaY”はFF車のみの設定で、コンパクトSUVとしては贅沢な仕様となる。専用加飾や通信連携機能を備える純正ナビが標準となるほか、パノラマルーフなど、上級装備が注がれる。ただし、価格は329万8900円と、ミドルクラスのSUVを狙えるゾーンに突入してしまう。
なお、実用最優先ならば、ガソリン車の“G”という選択肢もある。先代から引き続き搭載される1.5リッターエンジンはパワフルとは言い難く、坂道などではやや力不足を感じる場面もあるが、装備や機能面は“X”とほぼ同等だ。
ちなみに、先代ヴェゼルの後期では、1.5リッターターボエンジンを搭載した“ツーリング”を選ぶことができたが、新型ヴェゼルでは、現時点でスポーティなグレードは設定されていない。
だが、最近のホンダ車は、専用サスチューンやエアロを装着する“モデューロX”の展開に力を入れていることから、今後、新型ヴェゼルにも投入される見通し。ちなみにフィットは、デビューから1年強が経過した2021年6月に“モデューロX”が投入されている。