Ksフロンティア KTM カーズ
RACE REPORT

2025 Round.03  FUJI 24H

Qualify : MAY 30 / 1st RACE: MAY 31-JUNE 1 / 2nd

■PRACTICE

MAY 28-29 [WED/THU] CLOUDY / DRY

 スーパー耐久におけるシーズン最大の大一番、富士24時間レースが今年もやってきた。KsフロンティアKTMカーズは、これまでこのレースでは、ST-1クラスが1台のみという状況も含めて2021年から4連勝中。譲れない一戦となっている。

 そんなレースに向け、チームは今シーズンも頼れるゲストドライバーとして、小林崇志を起用した。抜群の安定感とスピードは24時間を戦うに必要不可欠な存在。ライバルである#47 ポルシェも助っ人を加えており、熾烈な戦いになることも予想されたが、5連勝を目指して5月28日(水)のスポーツ走行枠から走行をスタートさせた。

 いつものレース同様、初日は加藤寛規と吉本大樹がドライブ。5月29日(木)の専有走行から井田太陽と高橋一穂、小林が加わり周回を重ねていった。

 リザルトを見ると、やはり今回ストレートが長い富士だけに#47 ポルシェが速い。ただ渡邊信太郎エンジニアは「昨年よりタイヤの使い方がうまくいっている印象はあります。今年のタイヤは温度依存が強いイメージがあるので、そこだけ気をつけています。ただライバルはストレートが速いでしょうし、ドライバーも揃えてきていますからね」と週末に向けて展望した。

「夜も気が抜けないスピード競争になりそうです」と渡邊エンジニア。望んだライバルではあるが、今季はやはり熾烈な24時間レースになることを予想させた。

■QUALIFY

MAY 30 [FRI] CLOUDY / DRY

 5月30日(金)は、午後0時から公式予選がスタートした。この日は荒天の予報が出ていたが、前夜から降っていた雨は午前のうちに止み、わずかに濡れた部分はあったものの、曇り空のもとドライコンディションで行われた。

 まずAドライバーに出走したのは井田。気温が低くタイヤのウォームアップに苦しむドライバーが多いなか、1分44秒409というベストタイムを記録。ライバルの#47 ポルシェに対し、1秒以上の差をつけてみせた。ただ、Bドライバー予選では、加藤が1分44秒562を記録するも、#47 ポルシェは1分44秒421を記録。加藤を上回る走りをみせた。

 とはいえ、合算タイムでは3分28秒971となり、シンティアム アップル KTMが上。今季3回目のクラスポールポジションを獲得することになった。

 その後のCドライバー予選では吉本が1分46秒340を、Dドライバー予選では高橋が1分47秒685を記録。フリー走行では小林が決勝のための準備を進め、1分53秒782を記録し公式予選を締めくくった。

Ksフロンティア KTM カーズ 2025スーパー耐久第3戦富士24時間 レースレポート
2025スーパー耐久第3戦富士24時間 シンティアム アップル KTM

■RACE

MAY 31-JUNE 1 [SAT-SUN] RAIN-CLOUDY-FINE / WET-DRY

 いよいよ迎えた5月31日(土)の決勝日。ただ、この日は朝から雨が降っており、午前9時50分から行われたウォームアップはウエットコンディション。その後一時雨はほぼなくなったが、午後1時30分からのスタート進行時には雷雨が降り、決勝スタートは1時間遅れの午後4時に変更された。

 完全にウエットコンディションとなった決勝レースはセーフティカー(SC)スタートとなったが、シンティアム アップル KTMのスタートドライバーを務めた吉本は、15分のSCランの後始まったレース序盤、ジワジワと#47 ポルシェとのギャップを築くと、少しずつ乾いてきた路面の変化に対応し、40周を終えピットイン。スリックタイヤを履いた。

 ただ、ピットアウト後わずかにリヤが出た拍子に、外側にいた別クラスの車両にわずかにヒット。避けようがない接触だったが、これが接触行為とされ60秒のペナルティストップを課されてしまう。さらに、吉本から交代した井田も、避けるのが難しい接触により再度ペナルティ。#47 ポルシェに対しビハインドを背負うことになってしまった。

 負の連鎖はさらに続く。井田のスティントで水温が上昇しはじめてしまい、視界不良によるセーフティカーラン時、チームは20時20分過ぎ、シンティアム アップル KTMをピットに戻すことになった。タイミングベルトのトラブルで、急遽エンジン載せ替えを実施することになってしまう。

 ようやく作業が終わりピットアウトできたのは、サーキットが霧に包まれ長いセーフティカーランが続いた午後11時過ぎ。小林崇志が乗り込みコースインする。その後も細かいトラブルはあったが、小林から吉本に交代。霧による長いセーフティカーラン、さらに濃霧による赤旗中断などがある荒れたレースになったものの、吉本はしっかりとバトンを繋いだ。

 朝になって加藤、高橋と繋ぎ、その後は井田が長いスティントを消化。ふたたび高橋、加藤と繋ぎ472周を消化。長い24時間レースを終えることになった。

 #47 ポルシェは無傷で走り切り、シンティアム アップル KTMは2位という結果となった。しかし短時間でエンジン交換を行い、規定周回数をこなし2位のポイントを得たことは、今後に活きていくはずだ。

Ksフロンティア KTM カーズ 2025スーパー耐久第3戦富士24時間 レースレポート
2025スーパー耐久第3戦富士24時間 Ksフロンティア KTM カーズのメンバー

■DRIVER COMMENTS

Taiyo IDA 井田 太陽
「全体的なペースは良かったんですけどね。クルマのトラブルさえなければ面白いレースができたと思うので残念でした。ライバルはまったくトラブルがなく24時間を走りきったらしいので、やはり強敵であることが再認識したレースになりましたね。今回は夜もドライブしましたが、年齢のせいか見えず、少し怖かったですね。ここからはもう落とせないレースの連続なので、頑張るしかないと思っています」

Hiroki KATO 加藤 寛規
「24時間レースはいろんなドラマがあるものですが、今回は我々には流れが向いてくれませんでした。ただFCYやセーフティカーなどいろいろあったなかで、誰もレースで怪我をしなかったのは良かったですね。危ないシーンもあったと思います。今後取り返さなければと思いますが、いつもどおり自分たちのベストを尽くすだけだと思います。今回はトラブルもミスもありましたしね。仕切り直したいと思っています」

Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂
「トラブルも出てしまって、悔しいレースになってしまいました。僕自身もあまりドライブできませんでしたしね。5連勝がかかっていたにも関わらず勝てなかったですから残念です。とはいえ、今回はポイントが大きいですから、しっかりクルマを直して2位になったのを前向きにとらえなければと思います。次のSUGOは僕自身はあまり得意なところはないですが、しっかり取り返さなければいけませんね」

Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹
「レース途中までは良かったんですけどね。ウエット路面でスタートして、スリックに交換してからすぐに66号車に接触してしまい申し訳ないことをしてしまいました。その後もペナルティを取り戻そうとしましたが、トラブルが出て勝負権を失ってしまいました。ただエンジン交換を2時間でこなしてくれたおかげで、完走して2位のポイントを獲ることができました。次のSUGOもチームワークで頑張りたいです」

Takashi KOBAYASHI 小林 崇志
「結果的にトラブルもあったので、夜担当で呼ばれた僕の出番はあまりありませんでした。2スティントはドライブしたものの、少し物足りないレースになってしまいました。今年はせっかくクラスが2台になったのでレースができると思っていたので、仕方ないとはいえもう少し楽しみたかったですし、結果が出ないと楽しさもなくなってしまうと思います。もしも来年も呼んでいただけるなら、また出場したいです」

Ksフロンティア KTM カーズ 2025スーパー耐久第3戦富士24時間 レースレポート
2025スーパー耐久第3戦富士24時間 Ksフロンティア KTM カーズのメンバー

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