さて、予選が終わった段階では、ほとんどのドライバーが天気に関して気にしていなかったようだが、予報では下り坂。さらに、日曜日には東海地方が梅雨入りして、朝から雨に見舞われると、パドックは騒然とした状況となる。
「降るとは聞いていたけど、まさかこんなに!」といった声や、「昼までには止むって言うけど、そうなってくれないとヤバい」という声が頻繁に飛び交っていた。実際、午前中に行われたクラブマンシリーズのBレースは、やや荒れ模様の展開となった。
だが、プロフェッショナルシリーズの決勝レースが行われる頃には、雨もあがり路面は、ほぼドライコンディションに。ホッと胸をなで下ろした者が大半を占めたが、なかには恵みの雨となることを期待していた者も確実にいたようで……。
そんななか、好スタートを決めて、トップで1コーナーに飛び込んでいったのは近藤。これに佐々木と青木が続くも両者は接触。ふたりともポジションを守ったが、後方ではやや混乱も。この隙に阪口が4番手まで順位を上げた一方で、近藤が一気に差を広げることとなる。そして、阪口に続く5番手には、予選15番手だった久保凛太郎(CG ROBOT BRZ BS)の姿が。なんとオープニングの1周だけで10台抜きを演じてみせた。
逃げる近藤を追いかけたい佐々木ながら、先の接触でリヤバンパーを傷め、ストレートで抵抗になっていたばかりか、背後には鬼の形相の青木が。4周目のストレートで青木は2番手に浮上する。この時点で、近藤と青木の差は3秒以上。
ところが、それから間もなく雨が再び降り始めてしまう。全車のペースが鈍るなか、誰より速く走っていたのは青木だった。青木は近藤との差を詰めっていったものの、わずかに届かず。近藤が逃げ切りを果たして初優勝を飾ることとなった。
「スタートが決まったのが、いちばん大きいですね。そのあとに後ろでやり合ってくれてリードを築けました。ただ、途中で雨が降ってきた時は、さすがにヤバいと思いましたね。青木さんが少しずつ近づいてきましたし……。前半のリードがあって良かったです」と近藤。なお、近藤はこの週末、ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)にも出場。2戦ともにポール・トゥ・ウィンを達成し、なんとこの週末で3勝の荒稼ぎ。「自分でもビックリしています(笑)」と笑顔で語っていた。
一方、2位の青木は「恵みの雨になったのかな……。よく分からないけど、1コーナーのアクシデントがなければ、どうなっていたんだろうなとは思いますね。ただ、ここのところの流れを思えば、表彰台に上がれて良かったし、いい流れに変えられるような気も」とコメント。
青木と接触があった佐々木は、謝罪と反省しきりだった。阪口は4位でゴールし、ランキングのトップを死守。また、大躍進の久保は9周目のヘアピンでスピンを喫して11位と、あと一歩のところで入賞を逃す。5位は山田英二(CUSCO BS 86)が、6位は蒲生が獲得した。