RS3 LMSは、シフトはステアリング裏のパドル(ちなみに市販車と同じパドルがついている)で操作するが、発進のときだけはクラッチを踏まなければならない。教習所で教えてもらったようにアクセルを踏みながらクラッチを切ろうとするが、2回ほどストールした。ダサいぞオレ! ちなみに後で教えてもらったところによると、クラッチだけをゆっくり離し、繋がったあたりでアクセルを踏むといいらしい。

 なんとか発進し、ピットレーンを行く。いつもコースサイドから見ているように、1コーナーであるTGRコーナーにはインから進入する。そしてコカ・コーラ・コーナーを抜け、ちょっとずつ感覚を掴みながらペースを上げた。細かい走行の描写はやめよう。こんな素人の走りを再現しても面白くないからだ。

 今回、富田先生からは事前に「初めての方も多いので、ブレーキングでは絶対に抜きにいかない。加速で抜いてください」と注意を受けていた。そのとおりに、セクター3は毎周他の参加者の方がいらっしゃったので、うしろにつきながらゆっくりクリア。おそらく、他のクルマの皆さんは「なんでアイツ、あんなクルマで抜いてこないんだ」と思っていたに違いない……。ホントすいませんでした。

 アウトラップのストレートでとりあえず全開にしてみて、直線で230km/hを記録すると、だんだんアクセルを踏めるようになり、たしかにかなり重いブレーキを踏めるようにもなってきた。ようやくまわりが見えてくるとともに、「あれ? こんなに走っていいんだっけ?」と気付いた。ストレートでふと見ると、富田先生が両手で呼んでいる。やっちまった。気づけば時間を忘れてRS3 LMSでのドライブを楽しんでいる自分がいた。おとなしくピットに戻り、コクピットから下りた。

Hitotsuyama GmbHのアウディRS3 LMSに収まる富田先生。なんでこう絵になる感が違うのか……
Hitotsuyama GmbHのアウディRS3 LMSに収まる富田先生。シートはカーボンで安全性が高い
アウディRS3 LMSのステアリングはボタンが複数配されているが、分かりやすい。クラッチは始動時のみ使用。シフトはパドルで、奥のレバーはサイドブレーキ

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