すでに庄司雄磨(OTG DL 86)のチャンピオンが決まっているクラブマンシリーズは、その庄司が専有走行まで絶好調だったことから、凱旋レースになるかと思われたが、まず予選でウエットの路面と赤旗に翻弄されてしまう。
すでに雨はやんでいたため、セッション後半のアタックが有利なのは明らか。しかし、第1組はラスト1分40秒で赤旗が出て、そのまま終了。早々にアタックを済ませていた大島がトップで、神谷裕幸(N中部GRGミッドレスDL86)が続いた。
庄司は第2組での出走。第1組よりもコンディションが向上しているのは明らかだけに、ポール獲得のお膳立てが整えられたかと思われたものの、こちらはラスト5分で赤旗が。その時、庄司はまさにアタック中。残り4分の計測で再開するも、水野大(リキモリ制動屋ピース剛式86)と山下昌樹(NUTECアライズ86)に続く3番手につけるのがやっとだった。
決勝では大島がホールショットを決め、絶妙のダッシュを決めた神谷が水野を抜いて2番手に浮上する。そして庄司もふたつポジションを上げて4番手に。1周目を終えた時点では、前を行く3台に1秒の遅れを取っていたが、わずか1周で挽回し、その後は4台で激しくトップを争い合うこととなる。
4周目、庄司はスプーンで水野をかわし、さらに6周目のデグナー2個目での神谷のミスで、一気にその差を詰める。そしてシケインで勝負に出たものの、完全に前に出るまでには至らず。まさに3ワイドになって1コーナーに向かって行く最中に“SCボード”が提示される。130Rで横転クラッシュがあったためだ。そして、その直後に赤旗が出されてレースは終了となった。
5周目の順位で決着となり、大島が初優勝。2位は神谷、3位は庄司というオーダーに。
「最初から、かなりきつかったですけど、なんとか神谷さんの猛攻をしのぐことができました。セーフティカーから赤旗となって、そのまま終わってしまったのが残念ですけど、とりあえず勝てて本当に良かったです。神谷さんは後半に照準を合わせていて、前半は力を貯めていたそうですが、それで展開もうまいこと味方してくれて、逃げ切れたのかもしれません」と語る大島は、今年のスーパーFJ岡山チャンピオン。勝ち方を知っているからこそ、そう淡々としていたのかもしれない。
そしてチャンピオンの庄司は、2018シーズンを次のようにふり返った。
「運も大事だなっていうのを今シーズンを通じてずっと感じました。赤旗とか黄旗で流れを切られたのが今回だけじゃなくて3回もあったんです。そういう読みっていうも大事だな、っていうのを痛感しましたね」
「それでも充実したシーズンだったのは間違いなくて、最後は3位だったけど、まぁ良かったです!」と胸を張った。

