マスタークラス
■第13,14戦予選
富士大会は欠場だった畑選手がエントリーし、三つ巴の戦いになると思われた今大会は、専有走行から好調のDRAGON選手が、ふたりに対し優位性を保ったまま予選を迎えました。
第13戦予選では、DRAGON選手は連続で1分26秒台をマークしアタック終了。今田選手と畑選手は一度アタックした後にタイヤ温度を一旦下げて再アタックしましたが、DRAGON選手には届きませんでした。
続けて行われた第14戦予選は、三者ともに連続でアタックをし、今田選手、畑選手は13戦から大きくタイムアップしますが、DRAGON選手は1分26秒フラットを連発して、2連続クラスポールポジションを獲得しました。
■第13戦決勝
クラス2番グリッドからスタートを決めた今田選手がトップに立ち、DRAGON選手との差を徐々に広げ、レース折返しの13周目には5秒以上のマージンを築きました。
このまま今田選手が独走するかと思われましたが、ピックアップに悩まされていたDRAGON選手のペースが戻ると、今田選手に急接近。最後のゴールラインではその差僅かに0.6秒と、今田選手が薄氷の勝利を収めました。
■第14戦決勝
第13戦と同じ轍は踏むまいとスタートでトップを守ったDRAGON選手は、序盤から1分26秒台を連発。27秒台の今田選手、28秒台の畑選手との差を開いていきました。
DRAGON選手は、10周目には今田選手との差を3秒にまで広げると、その後もペースを緩めることなく周回を重ねました。終盤、今田選手も自身のベストラップを更新し続けて意地を見せますが、DRAGON選手に迫ることはできませんでした。
■第15戦決勝
抜群のスタートを見せた今田選手が、またしてもDRAGON選手の前へ。追撃体勢に入ったDRAGON選手ですが、アウトウッドコーナーで畑選手がDRAGON選手に接触。両者はスピンし、畑選手はノーズ交換のためピットイン。DRAGON選手はコース復帰に時間を要し、1周目で今田選手に16秒というビハインドを背負ってしまいました。
ここから鬼神の追い上げを見せたDRAGON選手は、今田選手のラップタイムを1秒近く上回るペースで、その差を5周目に12秒、10周目に7秒、14周目には5秒と、着実に今田選手を追い詰めていきました。
ところが、15周目に野中選手がコースアウトしセーフティカーが導入されたことで、この追撃も幕切れとなり、今田選手が今季8勝目のチェッカーを受けました。
今大会の結果、シリーズポイントは、今田選手がDRAGON選手に11点差をつけることになりました。最終大会は畑選手が欠場予定のため、両者の一騎討ちになりそうですが、台数の少ないマスタークラスではポイント差がつきにくいため、DRAGON選手にとっては非常に厳しい状況になりました。
■4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
「週末を通して、DRAGON選手に速さで遅れをとってしまい、課題が残った大会でした。自分としてもそれなりにプッシュはしていましたが、レースラップでコンマ5秒から1秒の差をつけられてしまいました」
「スタートは3レースとも良かったので、2勝することができましたが、やはりレースラップの差が大きかったですね。コースに対して苦手意識もないですし、どちらかというと好きなコースですが、考えられる要因としては、攻めたい気持ちを抑えて乗るFIA-F4のドライビングの癖が残ってしまっていたような気もします。最終大会のもてぎは切り替えて、フルマークで3連勝できるよう頑張ります」
■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
「この週末、速さはありましたが、決めきれなかったという感じです。特にスタートが、この大会までは100パーセントの確率で決まっていましたが、今大会はリアクションタイムも悪く、噛み合いませんでした」
「レースは今田選手に対して1勝2敗でしたが、速さでは、専有走行から予選、決勝まで上回っていましたので、その点は嬉しいですね。シリーズポイントでは、逆転が難しくなってしまいましたが、最後のもてぎでは、できる限り抵抗したいと思います」
■53号車ドライバー 畑享志選手コメント
「この週末は、クルマのセットが決まらないまま終わってしまった感じです。セッティングを進めるなかで、好調だったイゴール選手のセットに寄せてみたりもしてみましたが、アンダーが強くなったりして、方向性を見失い迷ってしまいました」
「ドライビングでもブレーキングポイントを変えるなど、いろいろ試しましたが、結果的にあまり改善されませんでした。最終大会は出場しませんので、今シーズンの参戦は今大会で終了です。来年の参戦は未定ですが、またチャンスがあれば出たいと思います」
