投稿日: 2023.10.20 17:45
更新日: 2023.10.20 14:19
更新日: 2023.10.20 14:19
【F1コラム:利権と闘争】2005年アメリカとは異なる展開に安堵。カタールGPがタイヤにまつわる危機を回避できた背景
Nick Richards
autosport web/F1速報公式サイトで長年連載してきた「ホンダF1甘口コラム」「ホンダF1辛口コラム」の「辛口」パートの執筆者ニック・リチャーズ氏が記す、F1の政治問題をテーマにするコラム。独自のシニカルな視点で時事に切り込む。
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我が家の優秀な家政婦が用意してくれた最高のイングリッシュブレックファストを食べていた時のことだ。妻が親友のフライ夫人と一緒に出席したブリッジのトーナメントで面白いことがあった、と楽しそうに話していたというのに、うっかり関係ない独り言を言って、話の腰を折ってしまった。妻は、私が彼女の話を全然聞いておらず、おそらくF1にまつわる何かについて考えていたのだとすぐさま察知し、不機嫌になった。
妻の推察どおりだ。私は、カタールにいるある旧友からのメッセージにショックを受けて、思わず独り言を言ってしまった。その友人は、豪華な待遇のVIPゲストとして、カタールGPに招かれている時に、現地からメッセージを送ってきた。FIAに知り合いを持つ彼は、ヘルマン・ティルケが好む奇妙な形の縁石にマシンが当たって、タイヤがダメージを負っている、と教えてくれたのだ。