「加硫の工程は、時間、圧力、温度など、与える条件を変えると、ゴムの配合が同じでも生成されるタイヤの特性が異なります。したがって、ウルトラソフトのコンパウンドは基本的に昨年と同じでも、特性はまったく同じではないので、そのへんをテストからチェックしているところです」
ちなみにビレリによれば、「ウルトラソフト以外のコンパウンドは、ウルトラソフトのゴムの配合をベースにして作られている」という。したがって、ウルトラソフトのタイヤの特性をきちんと理解することが、それ以外のコンパウンドの見極めるうえで重要だと松崎エンジニアは語る。
タイヤの変更はコンパウンドだけではない。タイヤの変更は、セットアップにも大きな影響を与えている。
「タイヤのサイズが変わると、重さも変わるし、スリップ角に対してどのような力を発揮するかも変わって、特性がいろいろと違ってくる」
「ピレリから届いている情報を自分なりに解釈して、自分が持っている経験からくる推定値によって、ジオメトリーもいろいろと変えています」
開幕戦では、スタート直後の第1スティントでのウルトラソフトの使い方で、優勝争いの明暗が分かれた。2戦目の中国GPにはウルトラソフトは持ち込まれていないが、それ以外のコンパウンドの理解度はウルトラソフトの理解度がペースとなるだけに、その点にも注目したい。
1 2