2024年F1第12戦イギリスGPの決勝レーススタート前、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のレースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼがガレージを出て、ピットウォールへ向かった。そこにいたのは、レースストラテジストのハンナ・シュミットだった。ふたりはモニターを見つめながら、話し合っていた。そのモニターに映っていたのは、雨雲レーダーだった。
その雨は、この日のレッドブルとフェルスタッペンにとって、恵みの雨となった。スタート直後の4コーナーでランド・ノリス(マクラーレン)をかわして3番手に浮上したフェルスタッペン。しかし、その後、ノリスとオスカー・ピアストリのマクラーレン勢に抜かれ、フェラーリのカルロス・サインツからもプレッシャーをかけられる苦しい展開となった。