ところが、新品のスーパーソフトを履いて出て行った2回目のアタック中に、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグのタイヤが脱輪。赤旗が出されて、アタックできないままQ2は終了した。チームのある関係者は、「Q1のジェンソンのタイムを見れば、1分36秒台に2台とも入っていただろう」という。もし、そうなっていれば、レッドブルといい勝負になっていたかもしれない。
もちろん、レッドブルのQ2のタイムがポケットに貯金を残したものだったかもしれない。それでも、少なくとも中国GPの予選で、ホンダはシーズン前に掲げていた『トップ10を目指した戦い』を演じていたのである。
では、なぜ開幕戦オーストラリアGPと第2戦バーレーンGPでQ2止まりだったホンダが、3戦目の中国GPでQ3に肉薄するほどまでにスピードアップしてきたのだろうか。しかも、上海インターナショナル・サーキットには、長いストレートが2本もある。
ひとつは、予選に関しては昨年課題だったデプロイが、ほぼ問題とならないまでに改善したからである。あとはエンジン本体であるICEの改善である。だが、ホンダをはじめ、どこのマニュファラクチャーも開幕戦以降、トークンを使用した改良は行っていない。