じつは、ホンダのパワーユニットは、開幕戦と中国GPでは異なる使い方をしていた。それは制御系のソフトウェアの仕様である。昨年まで自由だったが、今年からソフトウェアの仕様の変更は年間10回までに制限された。上位に追いつくために、ホンダは毎戦この変更を行っている。この見えないアップデートによって、コンマ数秒の改善につながっているという。
それだけに、Q2の2回目のアタックに入ったところで赤旗が出されて、もう1回タイムアタックする時間がないとわかったアロンソは、叫び声を発したのである。
では、なぜレースで、そのスピードを披露できなかったのか。それはレースに向けたセットアップが思うようにできていなかったからだ。今年は中国GPにスーパーソフトも持ち込まれたため、予選ではスーパーソフトのグリップ力によって、マシンの基本性能のギャップを埋めてくれた。だが、レースではそのグリップ力が持続できなかったため、マクラーレンは苦しいレース展開となったわけだ。
つまり、車体の性能が改善され、それに合わせたタイヤ戦略がうまく決まれば、ホンダのスピードは予選だけでなく、レースでも発揮されるに違いない。
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ホンダ辛口コラム 中国GP編:信頼性はあって当たり前。バーレーンより後退