古巣ロータス、現ルノーのスタッフと立ち話するマルドナドのフィジオ(右)
古巣ロータス、現ルノーのスタッフと立ち話するマルドナドのフィジオ(右)

 

第2回バルセロナ合同テストが行われていた3月2日、パドックに昨年まで所属していたチームのスタッフと会話している男がいた(写真2枚目の右側)。彼はファブリツィオ・マガンジ、パストール・マルドナドのフィジオ(理学療法士)を務めていたイタリア人だ。2000年代にはルノーのフィジオとして、フェルナンド・アロンソ、ヤルノ・トゥルーリ、ジャンカルロ・フィジケラらのサポートを行った経験があり、2008年からGP2に参戦していたマルドナドのフィジオとなり、昨年までマルドナドとともに歩んできた。

マガンジに声をかけると、話題は当然のようにマルドナドのことになった。

「パストールには、どうすることもできない問題だった。あれだけ急激に原油価格が下がったんだからね。最悪だったのは、そのタイミングだ。シーズンが終わった時期に何かが起きれば、もう我々には何もできない。F1の他チームはもちろんのこと、他のカテゴリーにしたってシートは埋まってしまっていた。ただ運命を受け入れるしかなかった」

マルドナドとルノーの交渉が決裂したのは、ルノーが体制発表会を開く数日前のことだった。マガンジがマルドナドから知らせを受けたのは、マルドナドが自身のツイッターでシート喪失の事実を伝えた、数時間後だったという。マルドナドのつぶやきは、まるでF1から引退するかのような内容だったが、マガンジによれば、マルドナドはF1復帰をあきらめていないという。

「ペーデーヴェーザ(PDVSA)は、パストールの支援をやめてはいない。原油価格が元に戻れば、再びF1にカムバックさせようとしている。だから、その日が来るまで絶対にあきらめるなと言っている。いまでも私は彼と電話で連絡を取り合っているからね」

マルドナドは、いまどこにいるのかと尋ねると、マガンジは即答した。

「モナコの自宅で、毎日トレーニングに励んでいるよ。現役復帰するためにね」

今回マガンジがテストに来たのは、マノーから誘いがあったからだ。

「まだパスカル(ウェーレイン)にフィジオがいないということで、1日だけ面倒を見てほしいと頼まれたんだ」と言うマガンジは、ウェーレインが最後にテストを担当した3月3日だけマノーのウェアを着て、ウェーレインをサポートしていた。

テスト最終日には、もうマガンジの姿はなかった。彼そしてマルドナドと次にF1のパドックで再会する日は、いつになるのだろうか。

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