PER「もうすぐ前にトラフィックが来る。チャンスが欲しいんだ。今は集中させてくれ」

FIN「3周あげるよ。その間にリカルドを抜けなかったら順位を入れ換えよう。フェラーリ勢が近付いて来ているんだ」

 この状況だけを見れば若手の突き上げを喰らうペレスがワガママを言っているだけのように見えるが、実際は違った。

FIN「チェコ、プッシュ、プッシュ。タイヤの全てを使い尽くせ」

 序盤から上位を走っていたペレスは17周目にキミ・ライコネンのアンダーカットをカバーするために早めにピットインし、チームはオコンには逆にステイアウトの戦略を与えたからだ。なかなかピットインしないオコンの状況を、ペレスも懸念していた。

PER「オコンは何をやろうとしているんだ?」

FIN「彼はフリーエアーで走っている。でもペースは同じようなもので君はまだピットウインドウ内だよ」

F1カナダGP セルジオ・ペレス vs エステバン・オコン
F1カナダGP セルジオ・ペレス vs エステバン・オコン

 実際、32周目にピットインしたオコンはライコネンの後ろでコースに戻り、順位の変動はなかった。しかしチームの戦略通り、彼はペレスよりも15周もフレッシュなタイヤでレース終盤に猛攻を仕掛けるチャンスを得たのだ。つまり、表彰台争いだ。

 フォース・インディアは最終的にはチームオーダーの発令を見送り、ペレスにリカルド追撃を続けさせた。しかし、オコンにも追い抜きを禁じたわけではない。

FIN「チェコをプッシュし続けて行け。もうすぐ問題を抱えるぞ」

 65周目のバックストレートでオコンはペレスのスリップストリームを捉え、DRSを使ってオーバーテイクを仕掛ける。ペレスがインを守り、オコンは最終シケインのアプローチが苦しくなった。

 そのせいで後方から追い付いてきたセバスチャン・ベッテルにストレートで並ばれ、次のターン1で前方のペレスにも阻まれて行き場をなくしベッテルに5位を奪われた。結局ペレスもベッテルを抑えることはできず、表彰台を掛けた争いは5位・6位という結果に終わった。

2017年F1第7戦カナダGP セルジオ・ペレスとエステバン・オコン(フォース・インディア)がバトル
2017年F1第7戦カナダGP セルジオ・ペレスとエステバン・オコン(フォース・インディア)がバトル

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