■鈴鹿での予選最速タイムが期待される今シーズン
ミハエル・シューマッハーが2006年予選Q2に記録した1分28秒954、このタイムは鈴鹿の絶対コースレコードだ(PPベストはフェリペ・マッサ1分29秒599)。記録だけでなく記憶に残るスーパーパーフェクトラップだった。その凄さを言おう。
彼はセクタータイムを30秒032/40秒221/18秒701で刻み、1分28秒954をマーク。それぞれの最速セクタータイムをきっちり揃えた。フェラーリ最後のシーズン、シューマッハーが鈴鹿に刻んだ遺産と言うべき絶対コースレコード、これが今年、遂に破られる(はずの)時が来た。
20年ぶり20cmワイドになったマシン、フロント6cm/リヤ8cm幅広のピレリタイヤ、PUシーズン4になってパワー&トルクもアップした。この2017年新規定の特徴は規制強化と逆の規制緩和、毎年スピードを抑えてきたレギュレーションを逆に高める方向へシフト。前半戦の各GPでも大幅タイムアップ、レコードタイムが叩き出されてきた。
この5年のPPタイムをおさらい。
2016年 1分30秒647
2015年 1分32秒584
2014年 1分32秒506
2013年 1分30秒915
2012年 1分30秒839。
一進一退だった。昨年PPロズベルグは06年シューマッハーの1.693秒落ち、ではどこが劣ったのか。
一部コース改修など変化はあるが、分かりやすくセクタータイムを比較すると、セクター1で+2.201秒、セクター2も+0.498秒、しかしセクター3は-0.256秒。セクター3だけは2016年メルセデス・マシンが上回った。そこに居た方は鈴鹿最速パフォーマンスを生目撃したことになる。