■レコードタイムへのキーポイントはS字
今シーズン終盤、最終バージョンに進化した2017年マシンのダイナミック・ダウンフォースは、前年度対比30%(推定)に達する。セクター1のS字ではひとつ高いギヤで攻める、新しいハイリズム・コーナリングが見られるだろう。
余談だがFIA内部では『F1よりスーパーフォーミュラのほうがS字は速い』という国内の動きを察知、それが2017年規定改革のひとつのきっかけになったとか……。
シューマッハーの30秒032がセクター1のターゲットタイム、個人的にはダンロップ・コーナーがキーだと思う。次のセクター2はデグナーからヘアピンのアプローチがより高速化、精密なライン選びとブレーキロックを慎むスキルが見どころになる。
スプーンに向かう全開加速ゾーンはPU対決、向かい風になるのが多いだけに究極のトルク&パワー勝負だ。シューマッハー40秒719を切る30秒台は濃厚だが、それだけにスプーンでのオーバーランが増す可能性も。
鈴鹿アタックの肝、締め、トリは、繰り返しになるが昨年最過去最速17秒545がマークされたセクター3だ。もしここまで2つのセクターを70秒以下でクリアしてきたなら……レコードタイム、1分28秒954を抜けるか、ここにかかってくる。
シューマッハーを超える鈴鹿レコード・ブレーカーは誰か。ポールシッターにポイントは与えられなくとも誉れを授かる。
鈴鹿でのPPウインのデータは50%未満。それでもウイナーに匹敵するPPドライバー力がリスペクトされるのが鈴鹿日本GP。世界一速い男がここで決まると言ってもいいと思う。シューマッハーもアイルトン・セナも同意してくれるはずだ。