2017ベルギーグランプリ決勝
■ルイス・ハミルトン、終盤にセーフティカーが導入されたレースを制す:異なる2ストップ戦略でセバスチャン・ベッテルを抑える
■ウルトラソフトがスパでのデビューを飾ったレースで、トップ10が広範囲に渡る戦略を展開
■ウルトラソフトの性能により、ファステストラップの2016年よりも5秒近く速く
2017年8月27日、スパ・フランコルシャン
メルセデスのルイス・ハミルトンが、Formula 1カレンダー中屈指のタイヤに厳しいサーキットで行われたベルギーグランプリを制しました。
ハミルトンは、終盤にスプリントレースの様相を呈したレースで、セバスチャン・ベッテルを抑えて優勝しました。30周目に導入されたセーフティカーが、ドライバーたちに『フリー』ピットストップの機会を与え、レースの流れを変えました。
トップのハミルトンがソフトタイヤでファイナルスティントを走行したのに対し、ベッテルはウルトラソフトで走行しました。ウルトラソフトは、ソフトよりも理論上ラップあたり約1秒速い性能を示していました。セーフティカーの導入前まで、ハミルトンとベッテルは、ともにウルトラソフト-ソフトと繋ぐ戦略を採り接戦を繰り広げていました。ベッテルは、ハミルトンよりも2周遅く最初のピットストップを行いました。
レッドブルのダニエル・リカルドは、1回目のピットストップでウルトラソフトからスーパーソフトへ交換し、セーフティカー導入周回中にウルトラソフトへ交換する戦略を採り、表彰台を獲得しました。フォース・インディアの両ドライバーも第2スティントをスーパーソフトで走行しました。
ベッテルは、ウルトラソフトでファステストラップ-驚異的な1分46秒577-を記録しました。このタイムは、昨年ミディアムタイヤで計測されたファステストラップよりも5秒近く速いものでした。
レース週末序盤の不安定な天候を経て、44周で行われる決勝は、気温27℃、路面温度34℃の下でスタートし、最後までドライコンディションが継続しました。
ピレリカーレーシング責任者マリオ・イゾラのコメント
「セーフティカー導入がドライバーたちにフリーピットストップの機会を与え、レース終盤の摩耗とデグラデーションへの懸念を解消することになり、戦略に明らかな影響を及ぼしました。しかし、どのタイヤを選択するのかという戦略の決定事項の残っていました」
「このレース週末を通してそうであったように、上位勢のペースは拮抗していました。セーフティカー導入が無ければ、スパでのデビューを飾ったウルトラソフトでスタートした上位勢の、年間屈指のタフなサーキットで1ストップ戦略を採ったと思います」