バクーは確かにストリートコースではあるが、セットアップの上で重要なのは、1本だけではない長いストレートだ。F1ヨーロッパGPの週末、チームが頭を悩ませた理由もそこにあった。

 近年の新サーキットの多くと同様に、バクーのコースもヘルマン・ティルケによって設計されたもので、長いストレートの終わりに待っているビッグ・ブレーキングとタイトなコーナーという、彼のデザインに共通する顕著な特徴が見てとれる。しかし、そのパターンに新たな趣向が加わった。サーキット全体がバクー市街の建物に囲まれていながら、タイトでツイスティな部分もあれば、コース幅の広大な長い全開区間もあるのだ。

 路面は新たに敷かれたアスファルト舗装で、うねりやバンプがないわけではないものの、白線やマンホールの蓋などは一切なく、他のストリートコースの路面とは明らかに一線を画している。

 こうした条件から、多くのチームはローダウンフォースとドラッグの軽減を第一に考えて、スパと同レベルのウイング・セットを持ち込んだ。結果として、2本の長いストレートでの最高速は安全性に懸念が生じるほど高くなり、反対に低速セクションでは、どのドライバーもグリップ不足に苦しんだ。また、最高速の高さは、その後のブレーキングもハードになることを意味し、ドライバーとエンジニアはブレーキの消耗に不安を抱えながらレースに臨むことになった。

 縦方向にGがかかる時間の長いコース特性のため、トラクションが重要になることは事前に予想されていた。真新しいアスファルト舗装のグリップレベルはかなり低かったが、逆に摩耗はほとんど問題にならないレベルに収まり、全体としてはデグラデーションも大きくなかった。多くのチームがトラクションとブレーキングスタビリティの確保に苦労したのは、ピレリが最高速時の負荷を考慮して、安全マージンを見込んだ高めの最低空気圧を指定してきたことも一因だった。

 そして、もうひとつの懸念は燃費だった。どのパワーユニットも、ある程度は燃料のマネジメントをしないと、100kgではレースを走り切れないと予想されたからだ。セーフティカーが出動する確率が高いことを考えれば、実際にはそれほど燃費の面で厳しいレースにはならないとの見方もあったが、意外にも決勝でセーフティーカーが出ることは一度もなかった。

本日のレースクイーン

星野奏ほしのかなで
2026年 / スーパー耐久
Hitotsuyama Racingアンバサダー
  • auto sport ch by autosport web

    SUPER GT PARADE LAP EP.2 Produced by autosport web

    禁断のGT500スワップ企画第2弾!
    ニッサンZのコクピットに坪井翔と野尻智紀が潜入

  • auto sport

    auto sport 2026年12月号 No.1626

    特集 GAME CHANGER
    一夜にしてカテゴリーの趨勢を塗り替えた
    名車・名プロジェクト

  • asweb shop

    鈴鹿1000km 50回大会記念
    メモリアルフォトブック


    1966年に始まった鈴鹿1000kmレースの歴史を、50回大会を記念して振り返るメモリアルブック

    3,000円