既報のとおり、FIAはオーストリアGPからタイヤの内圧測定の手順を変更した。これまではフォーメーションラップのスタート5分前までに、タイヤがマシンに装着されてから任意で選択されたマシンのみ測定していた。しかし、一部のチームが特殊な装置を使用して、ブレーキとアクスル(車軸)を高温にして、グリッド上では指定された最低内圧をクリア、走行時は内圧が自然と下がるようなトリックを行っているのではないかと指摘されていた。

 そのためオーストリアGPからは、タイヤがマシンに装着される前に内圧を測定するよう手順が変更された。FIAによれば、これはレース前だけでなく、すべてのセッションで行われるという。

「フリー走行、予選、レースの間、ピレリが各イベント前に定めている最小内圧が保たれているかどうかを正確に測定するため、タイヤがマシンに装着される前に必ず測定することにした。すでに全チームに通達し、オーストリアGPから即時有効としている。これらの測定は新しいタイヤもしくは事前のセッションで使用されたユーズドタイヤに対してのみ行い、担当するピレリのエンジニアの目前で実施されなければならない」

 しかし、いまのところオーストリアGPで指定された最低内圧を超えたタイヤがあったという事実は確認されていない。さらに、特殊な装置でトリックを駆使していると噂されたメルセデスが、その速さを鈍らせることもなかった。

 GP topic「メルセデスの内圧管理デバイスは『違法ではない』とライバルが擁護」で伝えたように、特殊な装置が内圧を目的として使用されているわけではないことが明確になったようだ。メルセデスは全セッションで内圧が規定値以上となっており、なおかつ特殊な装置を引き続き使用していたことが証明している。

 さらにオーストリアGPでは、メルセデスと同じ装置をルノーF1チームも使用していたことがわかった。どうやら、この装置は内圧測定の抜け道を狙うものというよりも、タイヤウォーマーを外しても内圧が一気に下がらないようにするための装置ではないかと考えられる。

 いずれにしても、高速コーナーが多いシルバーストンはタイヤに厳しく、2013年イギリスGPではタイヤトラブルが多発した。内圧をめぐるチームとFIAのせめぎあいは今週末も続くことだろう。

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