2番手のグリッドポジションでも、今年コース全域が新舗装され、毎日雨に洗われたグリッドは奇数列も偶数列も路面グリップに、これまでのような差異はない。ハミルトンがダッシュ、2列目レッドブル勢もそつなく、3列目フェラーリのベッテルもクリーンに決めた。今年トップ集団すべてが、これほどのスタート加速を見せたのは印象として初めてだ。
だから広い1コーナーで“スリーワイド”のような飛び込みが見られた。たまらないシーン。ハミルトンは抜け出し、ロズベルグは位置取りがうまくいかず、それでも2コーナーへのアウトサイド・ラインを見抜いた。一瞬レッドブル勢にやられかかったピンチをしのぎ、メルセデス勢がワンツーを確保。ハンガロリンクでは1〜2コーナーをめぐる攻防、位置取りとスペースによってトラクションも変化するから、最初で最後の最大のオーバーテイク・チャンスが、ここになる。
「獲ったぞ1コーナー」。だが、ハミルトンには逃げを打つ気配がない。5周目1.405秒、10周目2.033秒、15周目2.557秒、16周目にピットへ。ここまでスーパーソフトをいたわり、ソフトタイヤに切り替えても2秒前後のリードを保ち続け、41周目に2度目のピットイン。