ガスリー自身、ここまでレッドブルの期待に応えて、実績を積み上げてきた自負はある。GP2でチャンピオンになり、慣れない日本で最後までタイトル争いに絡む活躍を見せた。なので「ダニエル・リカルドが来季レッドブルを去る可能性があるよね?」という微妙な質問に対しても、「もちろん意識してる。近い将来の目標は、タイトルを狙えるチームで走ることだから」と、誤解しようがないほどはっきりと答えていた。

 そして「では今季の目標は?」という問いには、「チームメイトを上回る結果を出すこと」と即答した。ドライバー人事権を一手に握るヘルムート・マルコ博士に評価され、レッドブルに昇格することしか、今のガスリーは考えてないと言ってもいい。

2018年F1第1戦オーストラリアGP ピエール・ガスリーが駆るトロロッソSTR13・ホンダ

 予選最下位に直結した痛恨のブレーキングミスは、本人は「ブレーキが温まり切れてなかった状態にもかかわらず、ほんのわずか攻め過ぎた」と冷静に振り返っていた。しかしもしかしたら上述したような気負いも、遠因だったのかもしれない。抜きにくいアルバートパークでは、予選でひとつでも上のグリッドに入る必要がある。初日フリー走行でロングランペースに不安を抱えていたことによって、「予選で何とかしなければ」といっそう力が入ってしまった可能性もある。

 そしてレースでは好スタートを決めて、3つ順位を上げたものの、MGU-Hにまさかのトラブルが発生し、リタイアに終わった。

 本人のミスとホンダのトラブル。ガスリーにとっては最悪の開幕戦となってしまった。レース後、待ち受けるわれわれの前に姿を見せたガスリーは、まだ少し動揺しているように見えた。

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