しかしガスリーが充分に追い付いていないと思ったハートレーはターン14の出口で譲るつもりで通常通りにターンインし、インを開けてくれたと思ったガスリーはそこに飛び込んでしまった。そして両者は接触。
GAS「一体何をやってるんだ! 彼はドアを閉じたんだ! 何なんだ、あれは!?」
HAR「GASにヒットされた。ダメージがあると思う」
STR「どこにヒットした?」
HAR「右リヤだ。間違いなく問題が出ていると思う」
マシンのダメージを確認しながら走行し、一瞬は感情的になってしまったガスリーもすぐに冷静さを取り戻し、チームメイト同士での接触という最悪の事態に対してチームに謝った。
GAS「フロントウイングにダメージだ。本当にゴメン。でも彼は譲ってくれたと思ったのにドアが閉じられたんだ」
STR「(セーフティカーデルタに対して)ポジティブにステイ。集中しろ」
GAS「フロントウイングにダメージ、左フロントだ」
HAR「ダメージのレベルは分からない。でもこのスピードで走っている限りではそんなに悪くないよ」
バトルを演じたわけでもなく、両者ともに譲るつもりでいたものの、譲る場所の誤解による接触。だからこそレース後の2人の間にしこりは残っていないように感じられたが、あれがなければ中団グループでストフェル・バンドーンと戦うことはできたとガスリーは悔しがった。
この接触とセーフティカー導入がレースを劇的に面白くしたことは事実だが、トロロッソが上海で抱えた問題はチームメイト同士での接触などではなく、セッティングの方向性だ。もちろん彼らはそのことをしっかりと認識し、次に向けて徹底的な究明を進めている。
