ところが持つはずのハイパーソフトが、周回ごとにどんどん劣化していった。モナコではまったく見られない症状だった。すぐにでもピットに向かいたかったが、1ストップでレースを走り切る作戦を遂行するには、最低でも25周前後ハイパーソフトで周回し続けなければならない。

 18周目には9番手まで順位を上げていたが、ペースはどんどん落ちて行く。ピットイン直前にはスタートダッシュでかわしたシャルル・ルクレールにも抜き返され、26周目にようやくタイヤ交換。ウルトラソフトに履き替えてコース復帰した際には、18番手と大きく後退した。

 すぐに周回遅れとなり、ひっきりなしに青旗が振られることもあって、いっそうペースが安定しない。ウルトラタイヤの持ちも決して良くなく、さらに燃費も厳しくなった。背後からは、ウイリアムズのランス・ストロールが猛追してきた。

 チームからは「燃料とタイヤをセーブしろ」という指示と、「プッシュだ」という指示が矢継ぎ早に飛んだ。「一体、どっちにしたらいいんだ!」と、ガスリーは思わずキレかかった。

 すぐ前を走っていたロマン・グロージャンが青旗無視で5秒ペナルティを受けて順位を落としたが、ガスリーは首位のルイス・ハミルトンから周回遅れの13位完走が精いっぱいだった。

 レース直後にはホスピタリティの中で、フランツ・トスト代表とガスリーがエンジニアを交え、長く話し込む姿が見られた。

決勝後、エンジニアを交えフランツ・トスト代表と話すガスリー

 苦戦が覚悟された高速パワーサーキットのスパ、モンツァでは高い戦闘力を発揮し、一転してシンガポールは低迷から脱出できないままレースを終えた。

 今のトロロッソ・ホンダの一番の問題は、好調でも不調でも、その理由がしっかり分析できていないことだ。ガスリー自身も、「わからない、理解できないことが、一番フラストレーションが溜まる」と言っていた。

 車体のアップデートは今季もう1回予定されているようだが、ガスリーは車体の進化にいまひとつ懐疑的な印象だった。一方でパワーユニットの改良版投入は、「1戦でも早くやってほしい」と、待ち切れない風だ。予定では次戦ロシアで、比較的大幅なパワーアップ仕様がデビューするかもしれない。

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