ホンダにとっても2019年は重要な年だ。なぜなら2015年のF1復帰以来初めて、彼らは4台のマシンをコースに送り出すことになるのだ。それだけでなく、レッドブルはトロロッソのシャシーの指針について興味深い変更を発表している。
数年にわたり、レッドブルとトロロッソは非常によく似たシャシーを使用している。数年前、トロロッソの元ドライバーであるハイメ・アルグエルスアリと話した時、彼は2009年のトロロッソSTR4は、基本的にレッドブルのRB5をリブランドしてフェラーリエンジンを搭載したものであったことを認めている。
この理想的なシャシーの共有は、FIAがトロロッソにシャシーを自作するよう命ずるまで続いた。レッドブルはフェラーリとハースの関係性から着想を得ており、2019年にはこの状況は変わるだろう。
ハースはレギュレーションが許す範囲ですべてのパーツをフェラーリと共有している。そして情報も共有しているため、フェラーリとハースのマシンは非常によく似ている。トロロッソも来年は同様のことを行い、STR14は兄弟車のレッドブルと似たものになるだろう。
“レッドブル+トロロッソ”の計画の意味するところは、非常によく似たマシンができるだけでなく、2チームが情報を柔軟に共有することで、彼らは予想するよりも早い進歩を遂げる可能性があるのだ。
レッドブルとトロロッソはふたつの異なるチームだが、技術的な面で4台のマシンを持つひとつのチームとして運営できる狙いがある。
優れたエンジニアリングチームがあれば(そして両チームがそれを持っていることを我々は知っている)、シャシーの力を存分に引き出すだけでなく、エンジンの実装を改善し、ホンダがさらに強力なパワーユニットを開発できるよう支援することが可能だ。ホンダにとって2019年は技術面において夢がかなったようなものだ。最高のパートナーと4台のマシンがコースを走るからだ。
また、向上するのはシャシーとエンジン面だけではない。ドライバーラインアップもより効率化されることになる。
最近のシーズンでは、レッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンの存在は理想的だった。マシンとルノーPUの組み合わせではタイトル争いには至らなかったものの、ふたりの強力なドライバーを揃えていることは最良の選択肢だった。彼らはお互いにプッシュし合い、チームを前進させた。
しかしこれからはメルセデスとフェラーリに挑む時であり、フェルスタッペンをチームに残留させたことは理想的な選択だろう。インテルラゴスでは接触したエステバン・オコンに対し感情の爆発があったものの、フェルスタッペンは明らかに成熟の兆しを見せている。