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F1 ニュース

投稿日: 2018.12.28 18:00
更新日: 2018.12.28 18:12

【F1座談会企画(1)2019年タイトル争い編】ベッテルの課題はフェラーリの内部問題か。ハミルトンの対抗馬を探せ

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F1 | 【F1座談会企画(1)2019年タイトル争い編】ベッテルの課題はフェラーリの内部問題か。ハミルトンの対抗馬を探せ

──まだまだ新車の出来も分からない段階ですが、2019年、ハミルトンのライバルになるタイトルを争えるドライバーは誰になりそうですか?

柴田「ベッテルが2019年もハミルトンに敵うかどうかというと、かなり悲観的な感じがする。だけどクルマ次第だからね」

尾張「いろいろな意見があった方が面白いと思うんだけど、自分はベッテルがハミルトンに勝てる可能性はあると思う。それでも数字としては30%くらいかな。レースにタラレバはないけれど、今年に関して言えば、フランスGPでの(バルテリ)ボッタスとの接触やドイツGPでのクラッシュがなければ、あるいはイタリアGPで1周目にライコネンとやり合っていなければ、シーズン終盤までベッテルはハミルトンとタイトルを競っていたはずだった」

柴田「だけど、ベッテルがなぜそれをやらかしてしまったのか、というのを考えると、2019年もやりかねない」

セバスチャン・ベッテル 2018年F1第11戦ドイツGP

尾張「たとえばボクシングに当てはまることだけど、一度負けた相手に再び勝つというのは難しい。それはF1でも歴史的にそうで、カルロス・ロイテマンはアラン・ジョーンズに勝てなかったし(81年はジョーンズにポイントでは上回ったが、タイトルは逃した)、ナイジェル・マンセルはネルソン・ピケに勝てなかった。そういう意味では、唯一の例外がロズベルグ(2016年)。ロズベルグはよくやったよね。勝てなかったチームメートに初めて同じクルマで勝ってチャンピオンになったのだから。ベッテルはチームが違うし、どうしてああいうミスをしたのかが問題。フランスGPとドイツGPは良くなかったけれど、イタリアGPはもう少しなんとかなったと思う。あれはフェラーリのミスだった」

──ベッテルはシーズン中盤あたりからミスが出始めて、後半にかけてチーム全体で取りこぼしが多くなりましたね……。

柴田「ベッテルがフェラーリから十分なサポートを受けていないというコメントがあったけれど……精神的なサポートも含めて、チームの歯車が狂っている時に、ベッテルはきちんとチームからサポートを受けられていない感じがあるよね。メルセデスのハミルトンと比べても」

尾張「ドライバーは、チームからサポートを受けているかどうかにものすごく敏感。例えばメルセデスのチーム内では実質ハミルトンのナンバー1体制ができているけれど、彼を納得させるのはとても大変なこと。ブラジルGPではコンストラクターズタイトルも決めて、チームはお祝いムードだった。だけどレース中はタイヤのブリスターが酷かったので、戦略担当のスタッフはレース後に血相を変えてピレリのマリオ・イゾラと話し込んでいた。みんなが思っているほど、メルセデスは楽勝ムードではなかった。だけどおそらく、フェラーリはモンツァの後あたりで『もうダメかもしれない』と気が付いていたんじゃないかな。だから今年のベッテルとハミルトンの差には、本当の実力差は反映されていないと思うし、2019年もベッテルにチャンスがあると思う」

柴田「ベッテルは新しいチームメイト(シャルル)ルクレールにやられる可能性もある。だからハミルトンの対抗馬はベッテルだけではないんじゃないかな」

尾張「クルマ次第ではボッタスもあると思う。今年のメルセデスのクルマはそれほど良くなかったし、本当だったらフェラーリがタイトルを獲らなければいけないシーズンだった。というのも2018年はアメリカGPでライコネンが優勝していることからも、今季のフェラーリのクルマは良かったということ。つまり、ベッテルは取りこぼしが多かった。もし2019年のメルセデスのクルマが良ければ、ボッタスが対抗馬になるだろうし、今年のようなマシンの出来だったら、フェラーリのふたりが対抗馬になる。だからメルセデスのクルマの出来がどちらに転んでも、ハミルトンの独走はないと思う」

■2019年もハミルトンが勝つのか。気になるチャンピオン予想


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