一方で跳ね馬の主なライバル、メルセデスやレッドブル・ホンダはテスト段階では通常の跳ね上げで、同じ手法は採用していない。このフロントウイング処理は、いまのところどちらが正解とも言えないが、19年シーズンが進んでいく上でのひとつの開発キーとなるのではないか。

 SF90に関して、ベッテルと新加入のシャルル・ルクレールは、「乗りやすいマシン」だと口をそろえた。この乗りやすさが、もしかするとSF90が現状メルセデスに差をつけている部分かもしれない。SF90最速説の最大の根拠は、実はテスト最終日の1日前にある。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 この日はフェラーリのルクレールが終日、メルセデスはバルテリ・ボッタスが午後のドライブを担当。同じピレリの硬い側から2番目の「C2」タイヤを履き、同じ時間帯に両チームがレースシミュレーションを行なっていた。この際のラップタイムペースが、1周につき約0.25秒もフェラーリがメルセデスを上回っていたのだ。これをレース距離に換算すると、16.5秒差となる。

 なおボッタスは、一発のタイムを出すことにも苦慮していた。最終日のベッテルとの1000分の3秒差は、ハミルトンだからひねり出せたものかもしれない。ベッテルとルクレールのベストが100分の1秒差に留まるのに対し、ハミルトンとボッタスのギャップはコンマ3秒以上だ。

 ただ、フェラーリは昨年も一時期、メルセデスより速いマシンを持っていた。盟主奪回なるかは、開発、ドライバー、マネージメント、チーム力のすべてを今後も高い次元でそろえなければ、かなうものではない。

■F1プレシーズンテスト総括(2)に続く

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