レスタは5月末でフェラーリを離れると、わずか1カ月ほどで当時のザウバーで仕事を開始した。これは上級エンジニアの移籍としては異例に“空白期間”が短く、前任のテクニカルディレクターが辞めたチームへのフェラーリからの派遣とも採れる。

 そのレスタが初めて新チームでイチからデザイン指揮を執ったのが、2019年アルファロメオの新車C38だ。このクルマの型番だけは、旧ザウバーからの継承がされた。そして外観(=空力面)としては、フェラーリの作風が安易に移植されることなく、前年からの正常進化形となった。レスタの専門はメカニカルデザインであり、“革新”があったとすればカウルのなかだ。

キミ・ライコネン(アルファロメオ)
キミ・ライコネン(アルファロメオ)

 C38は開幕前のテスト期間中のベストタイムとしては中団辺りであり、派手なパフォーマンスランの披露こそなかった。だが、ロングスティントでは印象的なペースを刻んでいた。評価として、開幕時点でフェラーリ、メルセデス、レッドブルの“ビッグ3”の次に来るチームなのではないかとの説も上る。

 ライコネンのパートナーには育成ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィが起用され、このことからもフェラーリの影響力が強まり、本格的なセカントチーム化が進行していることは判る。

 マシンのハンドリングに繊細で、フェラーリ時代にも注文の多かったライコネンがオフのテスト期間を通じ、終始C38には前向きのコメントを残していたのも見逃せない。F1にビッグネーム復活のインパクトだけではなく、アルファロメオは何かをやってのけるだけの材料をそろえている。

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