45周目を迎える頃にはベッテルがボッタスの2.5秒後方まで差を縮めた一方でベッテルの背後にはフェルスタッペンが迫りDRSを使う。そして50周目のターン3〜4のバックストレートでベッテルを抜いて3番手に浮上した。ベッテルはここでピットに飛び込んでソフトに履き替える。これでハミルトンに逆転され5番手に後退するが、ソフトタイヤでプッシュし順位を挽回する戦略だ。

 ベッテルを抜いたフェルスタッペンは、10周若いタイヤのアドバンテージを生かしてボッタスとのギャップを縮め、56周目のターン4でパス。さらにエンジンのセッティングをパフォーマンス寄りに切り替え、ファステストラップを記録する走りで5秒前方の首位ルクレールを追いかける。

 62周目に周回遅れのサインツに引っかかったルクレールはタイムロスを喫し、2台のギャップは3秒にまで縮まる。フェルスタッペンはさらにギャップを縮めていき、66周目には周回遅れのガスリーがルクレールに前に現われ、ギャップは0.420秒に。67周目、2台はついにテールトゥノーズの状態になる。

 ペースの差は明らかで、フェルスタッペンは焦ることなく冷静にルクレールを追い詰めていき、チャンスを窺う。68周目のターン3でフェルスタッペンがインに飛び込み首位に浮上するが、ターン3の立ち上がりからDRSを使って今度はルクレールが再びフェルスタッペンの前に出て首位を奪い返す。

 69周目のターン3でフェルスタッペンはアグレッシブにイン飛び込むが、抜ききることができずエイペックスでルクレールと接触して押し出しながら前に出る。当然のようにこれはスチュワードの審議対象となり、フェルスタッペンはトップでチェッカードフラッグを受けたものの正式順位がハッキリしないままのレースフィニッシュとなった。

 3位はボッタス、4位はハミルトンを抜いたベッテル、中団トップの6位にはノリス、ガスリーは7位、8位サインツ、9位ライコネン、10位に初入賞のジョビナッツィという結果になった。

追記:審議の結果、フェルスタッペンとルクレールの接触はレーシングアクシデントと裁定され、ペナルティはなく、フェルスタッペンの優勝が確定した。

2019年F1第9戦オーストリアGP 表彰台に登るホンダ田辺豊治F1テクニカルディレクター
2019年F1第9戦オーストリアGP 表彰台に登るホンダ田辺豊治F1テクニカルディレクター

2019年F1第9戦オーストリアGP 2位でチェッカーを受けたシャルル・ルクレールと4位セバスチャン・ベッテル
2019年F1第9戦オーストリアGP 2位でチェッカーを受けたシャルル・ルクレールと4位セバスチャン・ベッテル

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