つまり、アルボンという選択肢は、現状考えられる最良のカードだった。そのことは、レッドブルが8月12日に出したリリースを読むと理解できる。このリリースでレッドブルはガスリーとアルボンをトレードのような形で入れ替えることを発表したうえで、こうも述べていた。
「この決定については、2020年以降のフェルスタッペンのチームメイトとして誰を起用するのがいいのかを決定するために、アルボンのパフォーマンスを評価することが目的となっている」
このことからも、今回のレッドブルの決定は、「フェルスタッペンのチームメイトとしてアルボンが誰よりも相応しい」というものではないことがわかる。現在、レッドブルは2020年にフェルスタッペンのチームメイトになるべきドライバーには誰が相応しいのかを調査しており、アルボンはそのひとりで、残り9戦でそれを評価するというわけだ。クビアトに関しては、すでに評価が済んでいるというのがレッドブル側のスタンスで、それは過去にレッドブルで一緒に仕事したことがあるベッテルとリカルドについても同様だろう。
つまり、レッドブルは2019年の残り9戦を2020年へ向けた準備に使用することを意味する。それはすなわち、フェルスタッペンは2020年もレッドブル・ホンダのステアリングを握るということにほかならない。
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