これはホンダがマクラーレンとの3年間で学んだ教訓だった。現在のF1はシーズン中のテストが制限されており、プレシーズンテストでの走行距離がこれまで以上に重要となっている。テストではPU側のプログラムだけでなく、車体側も多くのプログラムを消化しなければならない。そのためには、コース上でクルマを止めるようなトラブルだけは避けなければならない。

 これはシーズンに入ってからも同じで、レースで止まれば、即リタイアとなる。レース以外でも例えばフリー走行でトラブルを起こせば、セッティングを煮詰めるためのデータを十分取ることができない。結果的にチームはレースに向けて納得のいくセットアップを決めることができなくなり、チームとの信頼関係も損なわれることとなる。

 田辺TDも「昨年までの反省を生かし、今季はとにかくコース上でマシンを止めないということを念頭に、研究所と現場のわれわれが一体となって取り組んできた」と、今年のホンダは信頼性を最優先にパワーユニットを開発し、投入してきた。

2019年F1第4戦アゼルバイジャンGPで4位入賞のマックス・フェルスタッペン
2019年F1第4戦アゼルバイジャンGPで4位入賞のマックス・フェルスタッペン

 ホンダが前半戦で投入したスペック1はもちろん、第4戦アゼルバイジャンGPから使用したスペック2も、信頼性を重視したスペックだった。そのため、ホンダはメルセデスやフェラーリのワークスチームに比べて、1基多いパワーユニットを使用している。そのため、後半戦のいずれかのグランプリでグリッド降格のペナルティを受けることは必至だ。

 それでも、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も、トロロッソのフランツ・トスト代表も、「ホンダのパフォーマンスには満足している」と語っている。それは、ホンダが自分たちだけのことだけを考えてパワーユニットをチームに供給するのではなく、どうすればパッケージとして最高のパフォーマンスを発揮できるのかをチームとも協議して、適切なスペックを適切なタイミングで投入しているからにほかならない。

 このチームとの信頼関係が6月以降、大きな花を咲かせることになる。

※ホンダF1密着前半戦総括(2)に続く

本日のレースクイーン

池永百合いけながゆり
2026年 / スーパーGT
Moduloスマイル
  • auto sport ch by autosport web

    20歳でスーパーGTの最高峰に挑む“新人”小林利徠斗に迫った『FORMATION LAP』2026年第1弾が6月5日に公開

    ふつうとちょっとズレてる──20歳で最高峰に挑む新人ドライバー【FORMATION LAP Produced by auto sport】2026 Episode 1

  • auto sport

    auto sport 2026年8月号 No.1622

    [特集]│多│角│検│証│
    なぜ、日本人はF1で勝てないのか?
    いつか夢を実現するために過去から学ぶ

  • asweb shop

    掘り出し物満載の特別企画『モデルカー祭り!』がautosport web shopで開催中。6月25日まで

    レア物や特別価格商品が満載!
    6月25日まで